「感動」が少なかった2020年イヤホン・ヘッドホン
昨年末,「2020年 買って良かったもの」という記事を書きました。
これらの記事を書いて驚いたのは,
「ベスト5にイヤホン,ヘッドホンが入っていない」
ということ。
2019年に書いた同様の記事では,現在もダントツの信頼感を誇るゼンハイザー「MOMENTUM Wireless3」が1位でした。
2018年末に発売された,同じくゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless(初代)」も衝撃的でしたし,これまで「その年のイヤホン・ヘッドホン」として「感動を与えてくれた」機種があったものです。
しかし,それが2020年には欠落していたように思えます。
もちろん,ワイヤレスが完全に主役となり,ノイキャン搭載も当たり前になった年…ということで考えると,ひとつの転換期になった年ではあるかもしれません。しかし,ノイキャンの効き,音質の両面で過去の機種を大きく超えるようなものが登場したか…と言えば,必ずしもそうではないような…。
「試行錯誤」の年。それが私の2020年のイメージですね。特にイヤホンに関しては。ヘッドホンに関しては「停滞の年」といっていいかもしれません。
そして迎えた2021年。
このままでは物足りません。
…というわけで,今回は2021年のイヤホン・ヘッドホンを妄想してみたいと思います。
「音質が優れたノイキャンイヤホン」求む!
ノイキャン機が登場してからの長きにわたるテーマではありますが,やはり求められるのは「音質とノイキャンの効きの両立」です。
この点に関しては,2020年が正に試行錯誤の年だったとともに,「両極化」が生じた年だったようにも感じます。特にイヤホンに関して。
というのは,「音質よりもノイキャンの効きを優先するメーカー」と「音質を優先してノイキャンの効きを抑えようとするメーカー」とに別れてきている印象が強いということ。
「AirPods Pro」やBOSE「QuietComfort Earbuds」はノイキャンの効きは優秀ですが,音質は…。ゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless2」に代表される音質優先機のノイキャンは,正直全く満足できません。
私のようなオヤジになると,耳のケアも気になりますので,
「ノイキャンをしっかりと効かせ,できるだけ音量を上げずにいい音を楽しみたい」
という思いが強くなります。
イヤホンの現状がなかなか上がってこないため,どうしてもヘッドホンである「MOMENTUM Wireless3」に頼るケースが増えてしまうのです。
2021年…。
そろそろ,ある程度の強力なノイキャン性能を有しながら,音質に優れる本格的なイヤホンが欲しいです。
音は多少張っても構いません。
現行の高級ノイキャンイヤホンの相場は「3万円前半」というところ。これが「5万円」ほどになってもいいですので,もう一段高いレベルでの「ノイキャンイヤホン」の価格帯が生まれて欲しい!
どこかのメーカーが,思い切ってお金をかけ,その分性能を上げていく…という策を講じないと,現状がそのまま継続してしまうような気がしてなりません。
ゼンハイザーが「MOMENTUM True Wireless Pro」のような上位機種を発表して,その先陣を切ってくれると嬉しいのですが…。
有線に挑む高級ヘッドホンを!
昨年末,Appleが「AirPods Max」を発売しました。
税込みで考えると7万円に迫る価格が物議を醸しましたか,心配された音質面に関しても一定の評価を受けており,ある意味ほっとしているところです。
しかし,いざ肝心の「音質」で考えた時に,ゼンハイザー「MOMENTUM Wireless3」の優位を唱える方々が多いようです。
5万円以下の値段を考えると,この「MOMENTUM Wireless3」は正に奇跡の機種だと考えているのですが,この機種の音が完璧というわけではありません。
ほんの少しずつ,「音場の広がり」「高音部の抜け感」「音の分離」があれば本当に最強です。
まあ,密閉型であること,そしてノイキャン機,しかも完全ワイヤレス機ということを考えると,やはり5万円以下という値段はバーゲンプライスだとは思いますが…。
しかし,5万円でこれができるのであれば,もう数万円プラスしてもいいのであれば,より音質を向上させることができるのではないでしょうか?
ということで,提案したいのは「高級完全ワイヤレスノイキャンヘッドホン」のジャンルです。
音質に関しては,イヤホン以上に停滞したのが2020年のヘッドホンだと捉えています。まあ,イヤホンよりもヘッドホンのモデルサイクルの方が長くなるのでしょうが,今年中に大きな前進をしないと,ノイキャンヘッドホンの地位が危うくなってしまう時期に差し掛かってるようにも感じますので,ここはがんばっていただきたい!
2021年末,「買って良かったもの」のランキングに,多数のイヤホン,ヘッドホンが入っていることを心から願わずにはいられません。