日本企業は,HUAWEIの後釜を担えるか?
2020年は,「5G」という言葉だけが踊り,なかなか実生活に5Gが浸透できませんでした。
2021年は,日本国内での5G網の急速な充実が求められます。
日本の各キャリアでもそれぞれの戦略があるようで,docomoは純粋な5G専用施設建設,auは4G施設の流用にそれぞれ重きを置きながら,各社の5G通信網を広げているようです。これが2021年だけでなく,それ以降の5G網展開にどのように影響していくのかについても注目していきたいところです。
次期iPhoneでは,日本でもミリ波対応版が販売される…という噂もありますので,各キャリアも,いよいよお尻に火がつき始めていますね。
さて,その5G通信網…。
欧米を中心に,HUAWEI製通信機器の締め出しの動きが強まった2020年でした。
この分野において大きく出遅れていた日本メーカーですが,ここに来て挽回のチャンスが巡ってきているようです。
米英と連携の動きが…
読売新聞電子版が伝えるところによると,
高速・大容量通信規格「5G」の通信網整備に向け,日本と米国,英国政府が,日本製の機器や技術の普及に向けて連携を強化することが明らかになった
ということです。
米英の動機としては,当然「HUAWEIの締め出し」ですね。
現在,世界の5G通信基地局開設におけるシェアは,以下のようになっています。
HUAWEIの強さは当然知っていましたが,「エリクソン」「Nokia」という北欧メーカーがここまで牛耳っているとは予想外でした。
これまでは,ヨーロッパの2強にアジアの雄としてHUAWEIが絡んでいることで,地域的なバランスがとれていた…ということになります。
有事の際のことを考えると,シェアが同地域のみに集中していることは危機管理上,好ましくありませんからね。
というわけで,米英がHUAWEIの後釜として目を付けたのが,日本ということなのでしょう。
記事内では,
英政府は「供給メーカーの選択肢を増やす」として2020年11月,NECと協力し,5Gの通信網構築に向けた実証実験を始めると発表した
という実例の報告もあります。
NECや富士通は,HUAWEI排除に協力理解を示すと同時に,日本政府も欧米各国と歩調を合わせていることから,官民一体となって進むことで,今後の道が開けてくるのかもしれません。
日本企業は,技術的な基盤はしっかりしているものの,どうも立ち回り術が下手くそ…というイメージがあります。また,それは日本政府も同じこと。
今後は,戦略的な取引を意識し,国がしっかりと民間の活躍を後押しすることの重要性が増してくることは間違いありません。
せっかくのチャンスです。
ここでつまずいてしまうようであれば,この先,日本の通信技術が世界で認められるきっかけを失ってしまうことになるかもしれません。
勝負時だと思います!