Denon「AH-D9200」+ TEAC「UD-505」で感動は得られるか?
オーディオ機器にのめり込みすぎると,ろくなことがない…。
単に高価なものが高音質ということでもなく,更に,そこの「自分の好み」という観念的な部分が乗っかってくる…。
「沼」と呼ばれる所以です。
私も以前は,特にイヤホンに関してどっぷりと沼,およびスパイラルにはまっておりましたが,音楽の聴き方がApple Music等のサブスク配信中心へと切り替わったのを機に,
「ワイヤレス,ノイキャンを活用した,程よい高音質」
を狙う方向に舵を切りました。
現状は,モバイルでも大いに満足できる「iPhone + MOMENTUM Wireless3」という環境で,結構な幸福感を得ています。
しかし…。
ここに来ておうち時間が増える中(と,コロナのせいにしてみる…),家庭内でい音楽を聴く機会が増えることに…。
すると,どうしても,「据え置き環境」を意識し始めるわけです。
自分でも,「悪い癖が…」と警戒したものの,そこは思い立ってしまうと我慢できない性分。気に入らなければ,多少のロスは覚悟して売却すればいい…という近年の考え方もあり,行ってみることにしました。
Mac Proに,Denon「AH-D9200」+ TEAC「UD-505」を接続するという環境。
ええ,怖いです。ヘッドホンは,イヤホン以上にやっかいだ…という警戒心もあり,これまであまり触ってこなかった分野。
しかし,「人生は一度きり」という本ブログの基本理念を大義名分にして行っちゃいました!
実力派のUSB DACを土台に,「AH-D9200」の音色が全てを決める
まずもって,据え置き型のUSB DACというものの知識が殆どありません。
これまでは,イヤホンで活用するためのポータブルタイプ意外使用したことがなく,PC経由としてはDAC内蔵のパワードスピーカーをMacに接続する(あるいはAirPlayでiPhoneと接続)ということくらいしか経験がありませんでした。
そこで,今回の導入にあたり,DACの違いによる音質変化を判断する材料が当方にないことを踏まえ,ある程度定評のあるしっかりとした機種を導入することにしました。自分自身に言い訳できなくする…という意味で。
選択したのは,TEACの「UD-505」。
様々なレビューを見ても,音質に関してはまず問題がない機種だと判断しました。入出力に関しても,今回の接続方法となる「USB接続」はもちろん,今後の発展性を考慮しても私には十分過ぎるほど。
というわけで,今後の音質面での評価は,ヘッドホンである「AH-D9200」とMacとの関連の中で語っていくことにします。
さて,そのDENON「AH-D9200」。
結構なお値段ということもあり,丁重に梱包されておりました。
箱を開いて驚いたのが,制作責任者のネームとシリアルナンバーが記入されたカードが入っていたこと。この製品のスペシャリティーな感じが伝わってきます。
本体を取り出してみて,まずその見た目の全てを支配するのが「孟宗竹ハウジング」。
いや〜,自然のものを取り入れる考え方と,その見た目,手触りは,なんとも言えない満足感を感じることができます。
高級感満点か…と問われれば,単純に答えは「NO」です。
この竹のハウジング,結構チープな感じがします。しかし,その素朴な感覚が私は嫌いではありません。ネット上のレビューでは,「自分の個体の節目(?)が気に入らない…」「軽くて安っぽい」等の意見が散見されますが,そもそもここで重厚さを求めてしまっては本体の重さに繋がってしまいますし,
「軽量性と適度な剛性,そして非常に優れた振動吸収性を併せ持つ理想的な素材」
として竹を取り入れたDENONの考え方を否定してしまうことになります。
音質に関しては後日お伝えしますが,「振動吸収性」という点に関してはこの「竹ハウジング」が非常にいい仕事をしているのは間違いありません。
イヤーパッドは異次元の柔らかさ! 不評のヘッドバンドも私的には合格
実際に装着してして見て感じるのは,異様なほどのイヤーパッドの柔らかさです。正に異次元。
「MOMENTUM Wireless3」の革のイヤーパッドもなかなかの品質でしたが,驚くことに「AH-D9200」のイヤーパッドのイヤーパッドは天然皮革ではなく「人工皮革」とのこと。
しかしそこはそんじょそこらの人工皮革ではなく,
「一般的な人工皮革のおよそ2倍の耐久性を備える人工皮革を独自開発」
したということです。
DENONのHPによると,
「三次元縫製により,頭部のカーブにフィットし,圧力が均等にかかる理想的な形状に仕上げました。側圧を最適化する形状記憶フォームと合わせ,ストレスなく耳を包み込む装着感と気密性を実現しました。」
ということで,まさに「敢えての人工皮革」。
その装着感は「最高」の一言です。
これは単純にイヤーパッドの素材だけから生まれるものではなく,「アルミダイキャストハンガー」の功績も大ですね。ハウジングに取り付けられているハンガー部の可動ぶりが,人間工学的に実によく考えられており,特に下の図の2カ所の部分が自由自在に動くことで,三次元的なフィット感を生み出します。
見たは非常に人工的な感じなのですが,装着感は実に有機的なもの。
まあ,金額を考えれば,装着感がダメダメでは到底満足できないわけで…。
問題は「音質」ということになります。
次回から,実際のレビューをお届けすることになります。
この原稿を書いている段階で,未だ最終的な判断を下せないでおりますので,結構難儀な旅になりそうな予感です。
果たして,
Denon「AH-D9200」+ TEAC「UD-505」で感動は得られるか?
それとも,沼の底に沈んでしまう結末となるのか?
じっくり,ゆっくりと進めていきます。