「MicroOLED」って何だ?
3月にも登場するであろう新型iPad Proには,「MiniLED」が搭載されていると言われています。
現在「次世代のディスプレイ」の主軸と言われているのは,「MiniLED」と「MicroLED」の2種類。これに関しては,本ブログでも取り上げてきました。
要は,バックライトありで液晶進化版の「MiniLED」と,バックライト無しでOLED進化版の「MicroLED」ということ。
「MiniLED」の方が一歩先に商品化されるわけですが,「MicroLED」は歩留まりやコストの面で遅れがあるようですね。
そんな中,将来的にAppleのARデバイスにも搭載されるとされる「MicroOLED」についての話題が来ています。
んっ? 「MicroLED」と何が違うの?
ガラスか? シリコンウエハーか?
記事によると,
韓国メディアThe Elecが,中国BOEが2021年下半期(7月〜12月)に,マイクロ有機EL(OLED)パネルの供給を開始すると報じた
とのこと。
「BOE」といえば,先日iPhone12用のOLED生産試験に合格した…という話題があった新興のディスプレイ製造メーカーですね。
さて,問題の「MicroOLED」ですが…。
問題は,「MicroLED」もバックライト無しであり,元来が「OLEDの後継」とされてきたということです。しかし今回話題に無っいるのが「MicroOLED」であり,わざわざ「OLED」の名称を使っていることから,何らかの違いがあるように感じられます。
記事を見ますと,以下のような説明があります。
同パネルは、ガラス基板ではなくシリコンウエハー基板を用いるため高解像度を実現しやすく,現在は約40マイクロメートル〜300マイクロメートルである画素サイズが,約4マイクロメートル〜20マイクロメートルまで微細化されるようだ
つまり,「MicroLED」と「MicroLED」とは,そもそもの考え方は同様であるが,製造される素材が「ガラス」であれば「MicroLED」,「シリコンウエハー」であれば「MicroOLED」と呼ばれる…ということのようです。
Appleが採用を予定しているといわれるARデバイスとは,当然これまで「Apple Glass」などと呼ばれてきたサングラス型のデバイスでしょうから,曲面を描くレンズに貼り付けたり,埋め込んだりするためには,自由に折り曲げることのできるシリコンウエハー素材が適しているのでしょう。
元来,OLEDはディスプレイを薄くすることには有利であり,これまでも巻物型のディスプレイなどを提案したメーカーもあったように記憶しています。
その進化版…と考えることができそうです。
「ガラス版」はいつ来る?
そうなると,当然,「ガラス板」はいつ来るのか…という点が気になります。
これまでの採用具合を考えると,最初に「Apple Watch」のような小型デバイス,その後にiPhoneのようなスマートフォン…と考えるのが妥当でしょう。
本来であれば,昨年発売された「Series6」にも採用の噂があった「MicroLED」です。
果たして早期の実機投入が可能な段階まで来ているのか?
そろそろお尻に火が付きつつある技術…といえるかもしれません。