「完全互換」とは行かないネイティブ版Photoshop
先日,「Adobe Photoshop」「DaVinci Resolve」「1Password」がM1 Macにネイティブ対応した…ということについて書きました。
かなり時間がかかりましたが,ようやくビッグタイトルが「AppleSilicon Mac」にネイティブ対応したな…と感じていましたが,どうやら今回の「ネイティブ対応」は完全なものではなかったようです。
今だ「不具合」や「利用できない機能」というものが存在しているようです。
う〜ん,これは微妙です。
必須な機能が使えないとしたら…
記事によると,
Appleシリコンをネイティブサポートした「Photoshop v22.3」では,クラウド上での「編集に招待」や「プリセットの同期」など,最近加わった新機能の一部はAppleシリコンMacで動作しない。Adobeはネイティブアプリで利用できない機能,および既知の不具合情報を公開している
とのことです。
こちらがその公開ページになります。
Apple Siliconで対応していない機能としては,
〇エンベッドされたビデオレイヤーのインポートおよびエクスポート
〇手ブレ補正フィルター
〇プリセットの同期
〇イメージの共有ボタン
〇ドキュメントから新しいライブラリの作成
〇コラボ機能
が上げられていますね。
また,M1 Macでの不具合としては,
〇SVGファイルのエクスポート
〇3Dワークフロー
〇LightroomとPhotoshopの連係機能を利用する場合,両アプリともネイティブ版またはRosetta 2版で統一しての使用を,Adobeは推奨
といったところ。
どうやら,比較的最近になって導入された歴史の浅い機能に不具合や未対応が多いようですね。
私はPhotoshopは使いませんが(Elementsのみ時々利用),どうなんでしょう?
今回の不具合・未対応の機能は,普段使いする上で大きな影響がある機能なのでしょうか?
もし,一般的にメジャーな機能なのであれば影響は甚大でしょうし,メジャーでなくても,普段使いしている機能が上記に含まれるユーザーであれば,「AppleSilicon Mac」への買い換えを躊躇する大きな要因となるでしょう。
また,こんな時に本来であれば救世主となるべき,エミュレートモードである「Rosetta2」においても不具合があるようで…。
〇名前をつけて書き出し/生成でSVGとGIFフォーマットの書き出しエラー
〇被写体選択で選択結果に差異が発生
〇一部フィルターでマゼンタのアーティファクト発生
〇一部ツール使用時におけるクラッシュ
などが報告されているようですね。
今のままでは「怖い」
今回話題に上っているのは「Photoshop」ですが,まさかPhotoshopだけに不具合がある…とは考えづらいですよね。
IntelMacからApple SiliconMacへと完全移行することを前提で考えると,多くのアプリにこのような不具合が多数残っているということを考えると,「怖い」としか感じません。
先日の記事にも書きましたが,
「サブ機等"お試し"であればいけるが,メインマシンを入れ替えるのは大いに躊躇する」
という段階です。
このままでは,Parallelsによる仮想化においても,当初はトラブルが多く発生しそうでなりません。
私も以前に経験しましたが,Parallelsによる仮想化でトラブルが発生すると,もうどうにもできない泥沼にはまっていきます。ビジネス用途で利用することが多いであろうParallelsですので,小さな不具合も致命的になってしまうと言う懸念もありますし…。
さあ,今後のアップデート等で,各社のアプリが「安心」というレベルまで到達することはできるのでしょうか?
今回は,開発会社ごと,アプリごとという次元ではなく,
「全てのアプリが何の不都合なく動作する」
という環境が構築されることが非常に大切です。Apple側にしても,アプリの正常動作に向け,ソフト面・ハード面の両方で歩み寄る余地があるのではないでしょうか?