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ゼンハイザー「HD820」+ TEAC「UD-505」で最後の挑戦【Part3】〜取って出しの音質編〜

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一聴で分かる…HD820の音質とは?

 最高のヘッドホン環境を求めて,ゼンハイザー「HD820」に最後の望みをかけ,レビューしております。   

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 これまで,「HD820」に辿り着いた経緯,到着編と書かせていただきました。
 今回はいよいよ,「取って出しの音質編」です。

 前回の「到着編」の最後で,
「取って出しの一聴で,HD820の実力が判断できた…」
ということを書きました。

 さて,その評価とは…?

 

えっと… 欠点がないのですが

 エージングも全く無しの正に取って出しの一聴は,幾田りらさんの「Answer」
 言わずとしれたYOASOBIのボーカルとして活躍する幾田さんのソロ曲です。

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 澄み切った幾田さんの高音ボーカルとピアノの旋律。私が求めたい「女性ボーカルのしっとり系」の曲ということで,選択してみました。

 この曲,開始からいきなり幾田さんのボーカルから始まるのですが,HD820から放出される澄み切り,高音のつまりなく伸びる幾田さんの声に,一瞬で心奪われました。
 もうこの時点で,
「HD820との長い付き合いが始まった…」
と,感じていたのです。正に曲を流して数秒の出来事。それだけの絶対的なインパクトがあるHD820の音です。

 その他の曲も聴いた上で,その特徴を列記していくと…。

〇これまでの全てのヘッドホンで感じていた低音部のこもりが全くない
〇よって,ボーカル帯低音域が被さって悪さをすることがない
〇これまでのどのイヤホン・ヘッドホンでも感じたことがないくらいに,高音がどこまでも伸びる(大げさではなく限界が感じられない)
〇中・高音の音質の透明感がエグい。正に「美音」
〇それでいて全く刺さることのない音
〇低音が目立つチューニングではないが,必要な量がしっかり出ている
〇沈み込み等の低音の「質」が最高。AH-D9200のように,「量は出ているがボワボワしている」低音とは真逆。
〇必要な沈み込みはこれまでに経験がないくらい出ているのに,決して中音のボーカル帯を邪魔することにない絶妙の低音チューニング

〇音場は密閉化型とすれば広い方
〇横方向に広い。奥行きはさほど感じない
〇しかし,個々の楽器がそれぞれに空間上の居場所をしっかりと主張し,しかも他の要素を決して邪魔しないような鳴り方をするため,最上級の立体感を感じ取ることができる
〇解像感はもちろんバリ高。しかし,刺激的な音ではない。もはや解像感がどうのこうの言うレベルではない印象

というところでしょうか。
 お分かりの通り,大きな欠点がないのです。
 しかもこれ,取って出しの一聴の印象。エージング無しでこの評価です。

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 無理矢理気になる部分を探すとすると,「密閉型の割りに低音の量感が足りないと感じる人がいるかも…」「中・高音の美麗さと伸びゆえ,低音好きの方からすると,密閉型なのにキンキンと刺激が強いと感じる人がいるかも…」という,好みに関することくらいでしょうか?

 

「フラット系リスニング」の極上バランス!

 様々なレビューを読むと,開放型フラッグシップである「HD800S」は,HD820に比べて,

〇低音が弱め("S"になって強くなったものの…)
〇ボーカルは近め
〇音の伸び,音場の広さは若干上回る

という評価のようです。

 しかし,HD820よりも低音が弱いとなると,さすがに量感の不足を感じる場合が多いでしょう。この点が,「HD800S」がクラシック等にジャストファットするとされる所以でしょうか?

 また,ボーカルに関しても,私はHD820で「ちょうどいい」と感じます。これよりも近いとポップスなどでは全体のバランスが崩れる可能性があります。

 ということで,私はHD800Sを試聴したことはないのですが,
「HD820で正解だった!」
と考えております。
 何よりも,「MOMENTUM Wireless3」で感じていたゼンハイザーの低音の質のよさを求めるのであれば,密閉型である本機しかなかったであろうと…。

 本機「HD820」の全体的な傾向をまとめると,

「フラット系リスニング機」

と言えるかと思います。

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 思いの他フラットな音質で,一聴するとモニター系か…とも思わせるほど「整った」音です。しかし,しっかりと「聴かせる」ためのゼンハイザー流のチャーニングがなされており,決してつまらない音ではないのです。

 恐らくは,これ程情報量が多い音を鳴らすヘッドホンになると,もう一段リスニング風に振ってしまうと,AH-D9200のようにそれぞれの音が干渉し合い,本来の音を奏でられなくなるのではないでしょうか?

 難しいと言われるハイエンド帯での密閉型ヘッドホンのチューニング。
 ゼンハイザーの回答が,あえてややフラット風の味付けにすることで,音楽を「壊さない」ということだったのでしょう。

 それにしても,密閉型でこれ程までに開放的で美麗な音を鳴らすとは…。
 レビューで,「これ,本当に密閉型?」という記述がたくさん見られたことにも納得です。正に異次元。

 これ,エージングでどこが進化するのでしょうか?
 もう現時点で最強なのですが…。

 もう少し聴き込んだら,再度レビューしたします。
 「HD820」。沼から脱却できる最高の逸品だと,自信をもってお薦めします!