ついに… Googleがモバイル用独自チップを開発?
PCの業界では,これまでのx86ベースのチップの性能を凌駕するApple Siliconの登場以来,今後の性能,互換性の向上によっては,これまでのPC向けチップの勢力図が変化するかもしれない…という時期に差し掛かっています。
まずは,今年発売予定のMacBookPro14/16インチ,iMacに搭載されるApple SiliconとIntel・AMD勢との争いに注目ですね。
さて,Apple Siliconは,Mac向けも「SoC」チップであることで,性能だけではなく,消費電力や発熱,スペース効率等において大きなメリットがあります。
当然スマホなどのモバイル用途を起源にもつSoCチップですが,この分野においては,Appleが設計し,現在は台湾TSMCが製造するAppleの「Aチップ」の性能が際立っています。これはスマートホン誕生以来,Appleが死守してきた「砦」のようなもの。
結局はそのAチップをベースとすることで,Macを駆動するに足るMac用Apple Siliconが誕生したわけですので,少し前までは想像もできなかったことが,今起きようとしているのだと思います。
そんな中…。
Googleが,時期Pixelに独自のチップ搭載するのではないか…という記事が来ています。
いよいよ,百花繚乱の「SoCチップ戦争」が始まるのでしょうか?
「GS」=「Google Silicon」
記事によると,
9To5Googleは,Googleが,今秋に発売される同社の次期フラッグシップスマホ「Pixel 6」に,独自のモバイル向けプロセッサ「Whitechapel」を搭載することを確認した報じている
ということです。
こちらがその基記事ですね。
「Whitechapel」のGoogleないでのコードネームは「GS101」であり,「GS」は「Google Silicon」から由来するのではないかと予想されていますね。
また,非常に興味深いのは,この「Whitechapel」はなんとSamsungと共同で開発されたとみられている点です。
「Whitechapel」は「Slider」というコードネームに関連して使用されており,これまでの経緯から「Slider」は「Whitechapel」の最初のSoC(System on Chip)のための共有プラットフォームであると考えられ,「Slider」に関連する他のプロジェクトを見るとSamsungと関連していることが分かっており,「Whitechapel」はSamsungと共同で開発しているものとみられている…ということなのです。
これまでは,Android機はQualcomm社のSnapdragonを搭載していることが多かったわけですが,今後は今回のような独自チップ製造という新たな競争が始まるのでしょうかね?
まあ,PC業界においても,Intel自らがSoCチップ開発・生産に乗り出す…という情報もありましたので,加速度的に「SoC化」が進む可能性も十分にあります。その際,Appleのように「独自のSoCチップ」をもっているということが非常に重要な要因となるでしょう。
だとすれば,当然モバイル用チップにおいても,「独自チップ」の有無が今後の命運を分けるような情勢になることも考えられます。
果たしてユーザーから認められるか?
問題はGoogle Siliconの性能ですね。
これまで競い合ってきたSnapdragonでさえ,どうしてもAチップの性能的には太刀打ちできない情勢が続いてきました。
加えてAチップは,今後も順調に高精細化への道を辿るロードマップができているようです。ここには,TSMCの絶対的な技術力という裏打ちがあるようですね。
新規参入組には,そもそも当初から非常に高いレベルでのチップ性能が求められることはもちろん,「蜜月」とも言えるAppleとTSMCの「チップ製造力」「供給力」という壁を乗り越えるだけのインフラを整える必要もあるわけです。
もはや「異次元」といえるレベルになっているApple Siliconに立ち向かおうとするGoogle。こと独自スマホに関してはなかなかメジャーにはなり切れないGoogleですので,状況を一気に変えるためには,いいきっかけとなるかもしれません。
しかし…。
新規参入組がいきなりApple Siliconの性能を脅かす…という構図は全く目に浮かびません。
結局は早々に頓挫…というGoogleの悪癖が出なければ,長い目で見ればおもしろいことにはなりそうなのですが…。