PC重要の高まりの中,Macの動向は?
コロナ禍においてリモートでの仕事や巣ごもりの需要により,世界的に PCの出荷台数が伸びている…ということは昨年から話題になっていました。
Appleにとってもこの事態はある意味売上を伸ばすチャンスであるわけですが,現在のApple,そしてMacにとっては,「IntelMacからAppleSilicon Macへの転換点」という,Apple史上でも相当大きい分かれ目に位置しているということを考え合わせなければなりません。
つまり,単なる「コロナ禍における需要の増大」としてだけではなく,「AppleSilicon Mac投入による需要の開拓」をも見込まなくてはならない…ということ。
ある意味「大チャンス」であるわけです。
「リモートワークに備えてPCを買い換えたい…」
と言う需要に対し,
「ちょうどAppleがAppleSilicon Macへの切り替えを行っている。性能が高いし,コスパも相当よさそうだ」
という意識を掘り起こし,積極的にMacへの買い換えをしてもらいたいわけです。
そんな中,2021年第1四半期(1月~3月)の世界におけるパソコン出荷台数の集計が発表となりました。
さて,Macの動向は?
Mac急伸!
記事によると,
2021年第1四半期(1月~3月)の世界におけるパソコン出荷台数は前年同期比55.2%増となった。そのなかでもAppleのMacが前年同期比で111.5%増と高い成長率を記録している
ということです。
まあ,この業界が全体的に成長していることは周知の事実ですので,その中でMacがどのような動向を示しているか…が重要となりますね。
それでは資料を見ていきましょう。
こちらが,前年同期との比較。
まず驚くのは,Appleの「115.5%」という驚異的な伸び率です!
「2倍以上」ですよ。にわかには信じられないほどの伸び率です。
これにより,PC出荷台数におけるシェアが,「5.8%→8.0%」と急伸しております!
「Acer」を抜いて,企業別順位でも第4位へと上昇していますね。
もちろん他社も軒並み伸びているのですが,どれも「50%〜70%」ほどの伸び。それでも十分に驚異的ではありますが,Macの伸びがそれらの2倍ほどということを考えると,ちょっと尋常ではない感を受けます。
理由は何でしょうね。
最も好ましいのは,前述した「AppleSilicon Mac化に伴うMacへの期待」からの購入というパターン。新システムへの切り替えと同時にMacを購入したユーザーであれば,今後も「AppleSilicon Mac」を継続して利用する割合が高いでしょう。
あとは,コロナ禍てのPC購入ということで,これまでは高価でなかなか踏ん切りが付かなかったMac購入が選択肢として選べる環境が整った…ということも考えられますね。
いずれにせよ…。
この「PC特需」をどのような売上に繋げるのか…ということは各メーカーにとって今後を占う大きな分水嶺になるかもしれません。今後の推移も見守りたいところです。
世界のPC出荷メーカーを見てみれば…
今回の記事には,上の表をグラフ化した画像も掲載されています。
これを見ると,上位5メーカーで8割近くの出荷台数を占めている…という事実に愕然としますね。もちろんそこには日本のメーカーの姿は見えないわけです。
また,Lenovo,HP,DELLにしても,恐らくは出荷台数の多くを廉価なデバイスが占めているであろうことは想像に難くありません。
方やAppleは,M1Macで少しばかり価格は下がったものもありますが,基本的には非常に高価格のデバイスのみを販売しているわけで,そんなメーカーがこれだけのシェアを占め,しかも急伸しているということ自体,注目に値します。
Windows機との対比で見られがちなMacですが,今回のような「メーカーごと」という視点で見ると,Appleの特異性が際立って目立ってくることにもなりそうです。