「マスク装着ロック解除」の限界…
先日リリースされたiOS14.5によって,iPhoneのFace IDで「マスク装着時ロック解除」が可能になりました。
朗報は朗報なのですが,同一のiCloudに登録させているiPhoneとApple Watchが近くにあれば,所有者以外のマスクをしている人物でもロック解除が可能であるということが判明しました。
先日の記事でも書いたように,確かに通常の利用であればこれでかなりのセキュリティーを担保できるのでしょうが,悪意をもった第三者を想定すると,「他人の顔でも解除してしまう」という点がどうしても引っかかってしまいます。
これまで,利便性よりも安全性を優先し,不評だったFace IDの優遇を決め込んでいたAppleの姿を知っているだけに,私としては大きな違和感を感じました。
更に…。
実際に使用してみると,今回の「マスク装着時ロック解除」が,スリープ画面の解除にしか使用できないようだ…ということが分かってきました。
やはり,今回のアップデートでは,根本的な解決には全く至らないようです。
Apple Pay,アプリ・WEBのパスワード解除等には未対応
つまり,今回のアップデートで,マスクをしていてもFace IDによって解除できるのは,
「iPhoneのスリープ状態のみ」
ということのようです。
よって,例えばApple Payの支払い,アプリ・WEB等でパスワード管理している部分におけるFace IDロック解除に関しては,マスクをしている場合にはロック解除できず,結局は「パスコード解除」を要求される…ということです。
いやいや,利用者の多くが求めていたのは,「Face IDのロック解除全般への対応」だったはず。YouTubeの動画などでは,こぞって「神対応」という表現がされていますが,私にとってはかなり魅力薄のアップデートかな…という思いです。
何故なんでしょうね?
セキュリティー面から,実際の支払いやサイト等への侵入にはストップをかけたということ?
それとも,スリープ解除とその他のFace IDの解除では,技術的なロック方法で異なる部分がある?
いずれにしても,あまりにも「片手落ち感」のある今回の「マスク装着時ロック解除」のように感じます。
もはや,iPhone13シリーズでの実現が現実味を帯びてきているスクリーン下Touch IDによる「根本的な脱Face ID機能」に期待するしかありませんね。