AirTagの真実とは?
忘れ物防止タグとしてようやく日の目を見た「AirTag」。
すでに多くのレビューが報告されていますので,大方の「期待値」は皆さんが理解しつつあるのではないでしょうか?
「期待し過ぎちゃいかん!」
ということ。
このAirTagの実際の効果について,「ゴリミーさん」と「Appleが大好きなんだよさん」がコラボして行った実験の結果をそれぞれのWEBサイトとYouTube動画で報告しています。
どこまで期待していいのか…の線引きの仕方がよく分かる結果となっています。
あくまでも「保険」です!
このお二人は,これまでも度々コラボ企画を行っており,ブログ,動画というそれぞれのフィールドで貴重な報告をされていますね。
今回は,AirTagをもって外に飛び出し,一人では確認しづらいAirTagの実際の動作状況について詳細なフィールドテストを行っています。
その結果についてはそれぞれの動画,WEBサイトを確認していただきたいのですが,結論としては,予想通り,
「AirTagは,保険・お守り的な役割」
ということです。
お二人の検証の中で特に気になったのは,
①他のiPhoneを介して行われる探知においては,どうしてもタイムラグが発生する
②建物内に入ったりすると,探知の精度や更新頻度が下がる傾向がある
③探知に利用するデバイスによって情報の更新頻度が異なる場合がある
④自分のものではないAirTagの探知が遅すぎる
という点でしょうか?
①〜③に関しては,忘れ物・落とし物に気付き,しかもそれを誰かが拾ってくれて移動している場合においては,相当じれったい思いをしそうです。即座に気付いてAirTagを追いかけるものの,拾得者が移動してしまうことに加えて探知までのタイムラグが発生する…。
下手をするといたちごっこが続いていつまでも追いつけない…という惨事が発生する可能性も…。
拾ってくれた人がAirTagの情報を読み取ってくれて,こちらに連絡してくれればいいのてすが,それらは全て相手の好意に縋る戦略です。相手に少しでも悪意があったとすれば,AirTagを外されてしまい,万事休す…ともなりかねません。
また,③に関しては,「Appleが大好きなんだよ」さんの他の動画で,ロッカーやアタッシュケース等の金属製のものにAirTagを入れると,たちまち探知効果が薄れてしまう…ということも分かっています。電波状況が良好な環境でないと,AirTag本来の力は発揮できないということを知識として持っておく必要がありますね。
「悪意」には脆弱なAirTag
そして,最も気になるのが④に関して…。
つまり,相手が悪意をもち,ストーカー目的でAirTagを混入させた…というようなケースです。
今回のお二人の実験では,互いが了承を取り合った上で,双方のAirTagを自宅に持ち帰ってみるという実験を行っています。
その結果…。
「他人のAirTagが混入している」というメッセージが出たのは,互いが別れて数十分後,しかもそれぞれが自宅に戻ってからということが分かりました。しかもその時点で相手に自分の居場所をマップで確認されてしまう状況になっています。
つまり,
「悪意をもった相手に,自分の居住地を知られてしまう…」
ということです。
Apple側は,このような混入時に「他人のAirTagが近くにあることが報告されることで,ストーキングの危険性を知らせる」という危機回避策を講じていることを訴えてきました。
しかし,肝心の「通知」までの時間が長すぎること,しかも自宅に到着してようやく通知が行われたことなど,「穴だらけの安全管理」だということが実証されました。
AirTagの活用自体が善良な市民を想定したものであり,「悪意には非常に脆弱」であることか分かってしまったわけです。
アップデートは必須!
探知の精度に関してはこれ以上求めるつもりはありません。
所詮は「お守り」ですので。
しかし,後者の「セキュリティー」に関しては,下手をすると命にも関わることですので,Appleにしては「やらかした」といえる事態なのではないでしょうか?
アップデートによって,「自分のものではないAirTagの存在を告知」するまでの時間を大幅に短縮する必要があります。これ,絶対です。
少なくても数分自分のiPhoneと他人のAirTagが「同居」している段階で,告知はするべきです。
この段階で,その未知のAirTagが自分で習得したものであれば,落とし物として届け出たり,自らで落とした人に連絡をしたりするという自分の意思が働きます。
しかし,悪意をもって混入されてしまった可能性がある場合,つまり,自分の意思によらないAirTagと「同居」してしまっている場合であれば,即座にAirTagの電池を抜き取るか,捨ててしまう必要があります。
この際,自分の移動に関するデータを相手に与えないことが何より重要。
そのためには「数分」というのがタイムリミットのように感じます。
自分と行動をともにしている人が身に付けているAirTag等の反応など,なかなか悪意のAirTagとの線引きが難しいケースもあるでしょうが,任意に個別のAirTagとの通信を切ることができるようにするなど,Appleには効果的なセキュリティーの在り方について,早急に提案してもらいたいものです。