TSMCチップ生産は今後も安泰?
iPhoneのAチップ等,Apple Siliconの生産を一手に引き受ける台湾のTSMCの影響力は増すばかりです。
なんといってもiPhoneのAチップの性能が他のチップと比べてもダントツで高く,それを安定して供給し続ける技術力や企業としての体力も相まって,Appleとの蜜月が続いていることが大きな要因と言えましょう。
昨年以降は,M1等のMac用Apple Siliconの生産も始まり,その影響は大きくなるばかりです。
そんな中,TSMCが2021年オンライン・テクノロジー・シンポジウムを開催し,今後の半導体製造プロセスについて発表しました。
順調な高精細化は止まらない?
記事によると,
2021年オンライン・テクノロジー・シンポジウムにおいてTSMCの研究開発担当上級副社長であるユー.J.ミー氏が,7nmプロセスの現状と,今後の半導体製造プロセスに関する最新情報を発表した
ということです。
もちろんTSMCでは,Apple Silicon以外の生産も行っているわけで,PC業界におけるAMD躍進の鍵ともなっている,7nmおよび6nmプロセスルールで製造されるAMD用CPU・GPUの順調な生産に関しても言及しているようです。
さらにApple Siliconに関しては,現行iPhone12シリーズに搭載されるA14(5nmプロセス)移行のロードマップに関しても説明があったようです。
こちらに関してはこれまでの噂通りに,
〇2021年 iPhone13シリーズ→A15Bionic(改良型5nmプロセス)
〇2022年 iPhone14シリーズ→A16Bionic(4nmプロセス)
と進んでいくようですね。
これまでの経緯を考えると,2023年iPhoneは「4nmプロセスの改良型」,2024年は更に高精細化される…ということになるのではないでしょうか?
ここで問題なのは,今回TSMCが言及した「2nmプロセスチップの研究開発」です。
2024年iPhoneに搭載されるのが,この「2nmプロセス」で製造された「A17Bionic?」になるのかどうか?
「5nmプロセスの次は3nmプロセス」と言われていた時期もありましたが,実際に次に出てくるのは「4nmプロセス」で製造されたチップになりそう。さすがにここに来て,TSMCの高精細化の技術にも限界が来ているのでは…という見方もある中で,3nmプロセスを飛ばして一気に2nmプロセスに移行することはあり得るのか?
それとも,この間に,当然のように3nmプロセスが割って入るのか?
もはやAチップの性能は,iPhoneやiPadだけでなく,Macの性能にも直接影響を与える時代となりました。
今後は,これまで以上に,Apple Siliconの土台となる「Aチップ」の性能に注目が集まることになるでしょう。