地味なWWDC21の中で光ったものは…
ネット上の様々な評価を見ても,
「近年まれに見るほどに地味だった…」
という言葉が並んでいる,WWDC21。
本来はMacBookPro14/16インチが発表される予定であり,直前になってキャンセルされたのでは…という情報もあるようで,もしかするとAppleとしても不本意な発表会になっていたのかもしれません。
しかし,本来の意図である「新OSの発表」ということを考えても,今年は盛り上がりに欠けたことは否めません。
特にここ数年ほどは,Appleデバイスの各OSの融合に向けて,「毎年がメジャーアップデート?」というくらいの新機能を盛り込んでいたわけで,それからすると今年は随分とおとなしめだったように感じました。
しかし…。
もちろんそんな中にも注目の機能はあるわけで…。
私が最も注目したのは,「macOS Monterey」の「ユニバーサルコントロール」機能。
「OSの融合」ということを考えれば,とてつもない進化のようにも感じます。
「AirDrop」「Handoff」の超絶進化版?
「ユニバーサルコントロール」とは,
macOSおよびiPad OS搭載機種間で,1組のキーボードとマウス(トラックパッド)を共有できるというもの。つまり,別々のマシンを1組のキーボードとマウスでシームレスに操作できる
という機能のようです。
マウスやキーボードの共有というだけで嬉しいわけですが,これに加え,デバイス間を超えたファイルのドラッグ&ドロップにも対応するというのですから驚きです。
これまでも,「AirDrop」で直接他のデバイスデータを送信することはできましたが,送られたデータはダウンロードフォルダ等の決められた場所に送るという,シンプルな機能でした。
しかし今回は,画面を通して直接,しかもデータを置きたい場所を指定した移動が可能になるということで,これぞ「デバイスの壁をなくす」というAppleの思想の具現化に向けた強力なアピールになり得る機能だと考えます。
機能的には,AirDrop・Handoffの超絶進化版…といったところでしょうか?
連携の仕方も融通が利く
しかも,この「ユニバーサルコントロール」は,「Mac−Mac」でのキーボードやマウスの共有やデータ移動が可能だとのこと…。
これまでは,iPadとMacとの連携強化が進んできましたが,Mac間となると思いの他連携が進んできませんでした。特に,複数のMac間で,画面上での直接のデータのやり取りに関しては無理があったわけです。
今回,それが可能となったことで,デスクトップ周辺にあるAppleデバイスをフル活用しながら,有機的なデータのやり取りや操作を行うことができそうです。