SoC製造でSamsungとAMDが協業?
これまでは,スマホやタブレットのチップとして SoCが利用され,PC類のCPUやGPUの構成とは全く異なるフィールドにおかれていました。
しかし,それを完全に覆したのがM1 Macです。
脱Intelを掲げ,自社設計の高性能SoCを搭載したことで,内部構造がシンプルとなり,電力消費量の大幅に少なくなりました。性能を担保しながらも,筐体の省スペース化やバッテリーもちの向上に繋がったとあって,今後のSoCの未来が大きく開けたわけです。
また,それを説得力あるものにしたのが,iPad ProへのM1搭載です。
これまでは,
「MacとiPadがおそろいのCPUを搭載する」
なんて,考えつかなかったわけですから。
このようなAppleの動きを受け,IntelもSoCチップの開発を進めているという情報もありましたし,従来のSoC製造メーカーもAppleのM1やAチップの性能に迫っていくことを目標にしているはずです。
そんな中…。
Samsungが,独自SoCのパワーアップを,AMDと協業で行っているのでは…という記事が来ています。
GPU性能がA14Bionic超え?
記事によると,
2021年7月の発表がうわさされるSamsungとAMDが協業して設計しているGPUのベンチマーク結果が初めてリークされ,QualcommやSamsung製のフラッグシップ システム・オン・チップ(SoC)の性能を軽く上回り,AppleのA14 Bionicと同等以上のパフォーマンスを見せている
ということです。
3D MarkのWild Lifeというテストにおいて,このSamsungとAMDが協業して設計しているGPUチップは,「8,134ポイント」を獲得したということ。
他のSoCと比較してみると…。
〇QualcommのSnapdragon 888→5,382ポイント
〇SamsungのExynos 2100→5,295ポイント
〇AppleのA14 Bionic→7,668ポイント
これまで,SoCの性能においては,Aチップの独壇場だったわけで,「Exynos」がAMDま後ろ盾を得ることで,一気にA14Bionicを凌駕した…ということは驚くべき結果ですね。
まあ,A14Bionicは,間もなく次期チップである「A15Bionic」に置き換えられるのが確定的な状況ですので,恐らくはAppleが1位の座を死守するのでは…と考えますが,さすがにこれではAppleもうかうかしていられないはず。
さすがの「Apple + TSMC」体制も,その高精細化技術をこれまでどおりのペースで維持することは難しそうで,事実,今年発売されるであろうiPhone13シリーズに搭載される「A15Bionic」は,A14と同じ「5nmプロセスルール」で製造されるようです。
これまで群を抜いた高精細化によって,他のチップを置き去りにしてきた感のあるAチップですが,今後のライバルと競争に関しては,不透明な面が残っていると言えるでしょう。
Appleとすれば,iPhoneでの絶対的なチップ性能の優位性が,そのままMac用Apple Siliconの性能へと繋がります。やはりAppleにとっては,チップの性能面での優位性は絶対に保っておきたい,第一優先課題だと考えます。
さあ,「Samsung + AMD」という構図が,果たしてこれまで築いてきたAppleの優位性を崩してしまうのか…。
お手並み拝見…といきたいところです。