iPhoneの絶対的な強さを支えるAチップ
iPhoneがここまで支持される理由は何でしょう。
iOSによる操作性のよさ、Appleデバイスとの連携、デザイン、Appleという企業イメージ、堅牢性、高級感、Androidとの差別化…等々、いくらでも拾い上げることはできそうです。
しかし、「Aチップの性能」という視点もかなりの上位に食い込んでくるのではないでしょうか?
特に、スマホにおける最新の技術・機能という分野おいてはAndroid勢の後塵を拝するようになって以降、Aチップの絶対的性能が、アドバンテージとなっていたことは事実でしょう。
そのAチップをベースとしたApple SiliconをMacに搭載しようとするAppleの戦略をとってみても、Apple側の自信のほどがうかがえます。
しかし…。
このチップ性能の優位性がなくなったとしたらどうでしょう。
今回は、そんな「ひょっとしたら」という話題が来ています。
Qualcommが、Aチップを超えるときがやってくる?
元Appleのエンジニアチームはどれだけ機能するか?
記事によると、
海外大手メディアReutersによると、システム・オン・チップ(SoC)大手Qualcommの社長兼CEOに就任したクリスティアーノ・アモン氏は現地時間7月1日、Qualcommは「元Appleのエンジニアチームの力により」市場で最高のチップを提供できると言及した
ということです。
具体的に言えば、Qualcommが、
Apple半導体部門のキーパーソンとして、A7(iPhone5s)〜A12X(iPad Pro)のチップ開発に携わったジェラルド・ウィリアムズ氏が立ち上げたベンチャー企業Nuviaを14億ドル(約1,550億円)で買収した
とのこと。
当然Appleとしてはウィリアムズ氏の行為を許すわけにはいかず、訴えているわけですが、ウィリアムズ氏のやり口は、相当計画的で悪質だったようですね。
もしかすると、Nuvia立ち上げ当初から、Qualcommへの買収を織り込んでいたことさえ考えられます。あまりにも独立からの動きがスムーズすぎますものね。
裁判が進んでいるということで、先行きは不透明な感がありますが、Qualcomm側は強気な態度を見せています。
もし、このままQualcommにAppleの技術が流れるとすれば…。
これまでどうしてもAチップとの性能差を詰めることのできていなかったSnapdragonが、急激にパワーアップすることも考えられます。
QualcommCEOは、来年の新チップ導入を考えているようですので、この先数年のSnapdragonからは目が離せそうにもありません。
技術的には先端を行くAndroid勢に、Aチップ並の性能をもつSnapdragonが搭載されたら…。iPhoneのシェアは少なからず持って行かれてしまうかもしれませんね。
再度Qualcommとの戦争に?
AppleとQualcommといえば、つい最近までモデムに関して相当にやり合った中です。
一旦は和解し、現行iPhoneにはQualcomm製モデムが搭載されていますが、2022年以降、Apple純正のモデムが搭載されるのでは…という噂もあります。
本格的にAppleの技術が採用されたSnapdragonが生産されるようなことがあれば、これまで以上のもめ事に発展することは必至。
しかし、裏を返せば、Qualcommとしても、今後のSoCがいかに重要なウエイトを占めるか…ということをひしひしと感じているということなのかもしれません。