DPPを中心に広がる可能性
先日は、新たにCanon「PIXUS PRO-S1」を導入したことにより、これまでEPSON機を使用していた際に感じていたモニター上の色味とプリントの色味との違和感が一掃された…ということをお伝えしました。
Canon純正のカメラ「EOS R5、プリンター「PIXUS PRO-S1」の組み合わせと、純正用紙(今回は光沢・プラチナグレードを使用)のプロファイルをしっかりと当て込んだことが功を奏したのだと考えます。
しかし、この「Canonシステム」の中で、中枢を担っているのが、純正RAW現像アプリ「DPP」であると強く感じました。
元来、その処理スピードの劣悪さから酷評されているDPP(Digital Photo Professional)ですが、こと色味調整の正確さに関しては、「さすが純正」と感心させられることが多いです。レンズプロファイルやEOS側の画像処理も自動で読み取ってくれますし…。
まあ、だからそこ処理スピードが遅いという致命的な欠陥を抱えているわけですが…。
今回「PIXUS PRO-S1」を導入したことにより、このDPPに加え、プラグインソフトウエアである「Professional Print & Layout」を介することにより、より一層鮮明なプリントアウトができることが分かりました。
これぞ純正の強みです!
DPP + "Professional Print & Layout"の安心感
「Professional Print & Layout」は、DPPからPRO-S1でプリントアウトするためのプラグインソフトウエアなのですが、単純にレイアウトやプリントアウトのみを補助するものではありません。それだけだったら、別なDPPから直接できるわけで…。
やはりキモは、プリントアウトの際に、画質を向上させるための機能が組み込まれているということです。
特に、EOS R5やDPPの「デジタルレンズオプティマイザ」と組み合わせることで高画質化する「コントラストリプロダクション」「DPRAW」の二つに注目です。
「コントラストリプロダクション」は、「デジタルレンズオプティマイザ」との併用によって、高精細で立体感のあるプリントアウトを可能にする機能。
AIが、どのように調整すれば、イメージを崩さずに、より高画質として感じられる画像になるか…を考えてくれるということですね。
一方の「DPRAW」は、DPP経由で、「コントラストリプロダクション」を有効にしている場合に活用できる機能。
カメラの奥行き情報を補正して、より立体感のあるプリントを実現できるというもののようです。
要は、どちらもDPP経由で「Professional Print & Layout」を活用し、それぞれの機能を有効にしている場合にのみ、その恩恵を受けられるということですね。
前回の記事内で、「同じRAWファイルからプリントアウトしたのに、S1の方が解像感が高く感じた」のは、「コントラストリプロダクション」の機能が有効に働いていたからかもしれません。
しかしこれまでは、EOS R5側の「DPRAW」をOFFにしておりましたので、こちらの有効性はまだ確認できていません。
今後この機能を「ON」にしたファイルをプリントアウトすると、より解像感が向上する結果になるのかもしれません。
DPPの有効性が生まれる
これまで、DPPは「使えないアプリ」として名をはせてきました。
しかし、純正プリンターとの組み合わせで、プリントアウトまでを見通した場合には、他のアプリではできない可能性が生まれたことになります。
特に、それほど現像枚数が多くない、私のような素人にとっては、安心して綺麗な写真をプリントできるという安心感も生まれます。
これでDPPの処理速度が上がれば、「これで十分」、いや「これで無くてはならない」と言わしめるほどの組み合わせになるかもしれません。
何とかなりませんか?
Canonさん?