RAW現像アプリで考える、カメラ・プリンター選び
これまで利用していたEPSONプリンターから、Canonの「PIXUS PRO-S1」に買い換えたことで、思い通りのプリンアウトに辿り着いたことをお伝えしてきました。
「思い通りの色味でプリントできる」という、本来であれば当たり前のことが当たり前にできることの大切さを改めて感じているところです。
Mac Proを利用しているのですが、MacとEPSON側の各種プロファイルとの相性に問題があったのか、そもそもの「EOS R5 + PRO-S1」というCanon純正同士の組み合わせが功を奏したのか、その原因は定かではありませんが、PRO-S1にしてからの色再現性ということに関するストレスがなくなりました。
更に、これに加え、私がCanon純正のRAW現像アプリ「DPP」を利用していることも関係があるのかもしれません。
つまり、PRO-S10を購入したことにより、
「EOS R5 → DPP → PRO-S1」
という、アウトプットに向けた流れ全てが「Canon」で統一されることになりました。これまでのレビュー記事でも書きましたが、カメラメーカーとしてのCanonのこだわりのようなものが「純正による安心感」として形づくられているような印象を受けました。
しかし…。
これも過去記事に載せましたが、DPPは誰にでもお勧めできるRAW現像アプリではありません。「処理速度」が遅すぎます。これ、使用しているPCがどうこうというレベルの問題ではなく、アルゴリズムそのものがお粗末なのだと思います。
それに加えて、DPPでは、Canonのカメラにおける様々な画像補正、レンズ側の補正等を全てこなしていくため、なおさら処理速度が遅くなって行きます。
でも…。
現存される画像は最高なんですよね。EOS R5に収められた画像、つまりCanonが表現したい画像がそのまま出てくるわけですので。
つまり、DPPは、画質と速度の「トレードオフ」という究極の選択を迫られるアプリなのです。
そんな中…。
YouTubeで、カメラマンの菱田雅之さんが、DPP、Lightroom、Capture OneというRAW現像アプリの現像比較をなさっています。
「プリントアウト」前提で考えたら…
まずもって申し上げたいのが、以前の記事でも紹介しましたように、現状のLightroomは、CanonRFシステムのカメラ(RP以降)・レンズプロファイルが提供されておらず、思い通りの現像が難しいという実情があります。
Capture Oneはカメラのプロファイルは適用されていますが、レンズプロファイルの提供は無し…。
これに対し、もちろんDPPは全てが対応となっています。純正の強み炸裂!
菱田さんの動画の結論からすると、
〇Lightroomは、色味・解像度どれをとってもR5本来のよさを出し切れない。レタッチも難しいレベル。色味がとにかく汚い
〇Capture Oneは、デフォルト状態ではアンダー目、暖色系強めで出る傾向にあるが、レタッチで思い通りに加工できる範囲
〇DPPは、Canonのカメラ設定がそのまま反映されるとともに、レンズの調整も自動で行ってくれるため、撮って出しで満足できる現像となる
というところです。
「写り」だけを考えると、DPPの圧勝といっていいと思う結果でした。
Capture Oneで現像後にレタッチする…という工程を、DPPでは一気に処理してくれるという印象です。その分時間はかかりますが…。
とにかく枚数を撮るという方には、DPPの遅さは致命的でしょうが、私のようにそれほどの枚数は撮影せず、レタッチについてもそれほど自信が無い身にしてみれば、DPPでの現像は非常に魅力的です。
これに加え、PRO-S1や純正のプラグインソフトウエアである「Professional Print & Layout」を活用する事でDPPの現像結果のイメージそのままにプリントアウトすることができる「キヤノンシステム」は、素人にとっては最強とも言える頼もしい存在のように感じました。
つまり…。
「プリントアウト」前提で考えるのであれば(もちろん、処理速度の問題をクリアできるという大前提ありきですが)、
「Canonカメラ→ DPP → PRO-S1」
が最強なのでは…という個人的結論に至りました。
さて、皆さんは何を重視して、どのようなシステムで攻めますか?
最近では「プリンアウト」が必ずしも最終工程ではなくなってきているかとは思いますが、少なくとも私は、PRO-S1を購入して、もっともっと自宅でのプリントアウトを楽しんでみようと、初心に返った思いがしました。