Canon「EOS R5」とSONY「α1」のIBIS(ボディー内手ぶれ補正)比較テスト
Canon「EOS R5」を使用しております。
それまでメインで使用していた「EOS 5DMarkⅡ」やRFの導入として購入した「RP」と比較すると、画素数、連射性能、解像度、AF性能等、正に次元が異なるといった印象。
また、Canon初のIBIS(ボディー内手ぶれ補正)を搭載したことで、撮影上選択が大きく増えました。f2.8通しのズームにおいて、開放を使えば相当暗い中での撮影も可能。
更に、RF50mm F1.2L USMのような明るいレンズを使えば、真夜中でも日中と変わらないような感覚で撮影できる場合もあります。
これまで、この「IBIS」の分野では、CanonはSONYの後塵を拝してきたわけですが、この度、Canon「EOS R5」とSONY「α1」のIBIS(ボディー内手ぶれ補正)比較テストの記事を見かけました。
さて、その結果やいかに?
大方の評判通り、Canonが優秀!
記事によると、
The-Digital-Picture.comに、キヤノン「EOS R5」とソニー「α1」のIBIS(ボディ内手ブレ補正)の補正効果の比較テストが掲載されている
ということです。
テストの内容としては、
〇レンズはRF50mm F1.2 L USMとFE50mm F1.2 GMを使用
〇シャッター速度は1/25秒からスタートし、その後シャッタースピードを1/3段長くして1秒になるまでテスト撮影を繰り返す(各シャッタースピードで10枚の撮影を2回繰り返す)
というもの。
その結果が以下のようになっています。
記事に中でも、
「キヤノンEOS R5のIBISはα1に対して1/3~2/3段分のアドバンテージがある」
とまとめられているように、全般的にCanonのIBISの方が優秀という結果になっていますね。
「この程度であれば大差なし…」という考え方もあるかもしれませんが、α1は、1/10以下の比較的速いシャッタースピードでも結構な割合で「Delete」と判断されているのが非常に気になります。
自分が「EOS R5 + RF50mm F1.2 L USM」で使用しても、「1/6」というのが一つの壁です。これは以前の記事でもお知らせしたとおり。
しかし、それよりも速いシャッタースピードの場合は、比較的安定して満足のいく写真が撮れるという印象です。α1では、1/15あたりから途端に「Useable 」が増え出すなど怪しくなってきますね。
私としては、「1/3~2/3段分のアドバンテージ」という絶対的な限界値を考えるよりも、このような「歩留まり」による信頼性の方が重要だと考えますので、この点においてもCanonを評価したいと思います。
それにしても補正「公称値」は当てにならない
それにしても…。
今回の記事の手ぶれ補正の効きを見ても、メーカー公称の手振れ補正値の「過大さ」にはあきれますね。
例えば「RF50mm F1.2 L USM」にしても、IBISで「7段分」の効きがあるとCanonは主張していますが、今回の記事においてはせいぜい「3〜4段」というのが実際のようです。
これは、普段私が感じていた実効値と同じです。
YouTubeなどのレビューでは、「1秒でも止まる…」などとおっしゃっている方がおりますが、個人的には信じられない思いでした。まあ、余程の技術をお持ちの方なのでしょうが、私のような素人をベースにした公称値を出してくれた方が助かるのですが…。
「最大〇段」というのは「CIPA基準」ということですが、自家用車の燃費表示と同じで、実際の使い勝手と合致していないと混乱を生むような感じもします。
また、IBIS搭載カメラの売りの一つが、手ぶれ補正を備えたレンズとの「協調補正」です。
つまり、レンズとカメラボディ双方の手ぶれ補正を協調させることで補正値が向上する…という考え方なのですが、これも「ほんのおまけ」程度に考えた方がいいです。
私も「RF70-200㎜ F2.8L IS USM」を使っていますが、元々のレンズ補正値が大幅に向上した…という印象は殆どありません。
公称では、+3段程度向上する…とされていますが、そんなには効かないと考えています。
というわけで、現状、メーカー公称値を若干下回る程度…という認識をもちながら、この「手ぶれ補正」という非常に有効な機能を楽しむことが「吉」といえるでしょう。
手ぶれ補正機能が、これまでの撮影の幅を広げてくれる…ということに関しては間違いがないわけですので。