Intelが、TSMCの3nm生産枠の大半を確保?
iPhoneの絶対的なアドバンテージであるAチップの性能を生産面で支えているTSMC。
世界的な半導体不足の中、iPhone13シリーズ搭載のA15Bionicを優先的に生産するなど、AppleとTSMCの蜜月ぶりは最高潮に達しているように見えます。
これに加えて、SoCチップであるMac用Apple Siliconの本格活用が始まったことで、AppleにとってはTSMCとの関係性が、これまで以上に重要なものになる…ということは明らかでしょう。
今後のAppleとTSMCの関係性について、本ブログではこれまでも話題にしてきました。
今年のA15は5nmプロセスルールでの製造でA14と精細化においては変化ありませんが、今後、A16では4nm、A17では3nmと、急速にチップの高精細化を進め、その性能を高めていくと予想されています。
そんな中…。
AppleとTSMCとの関係性を考える上で、心配な情報がありました。
IntelがTSMCに急接近?
「3nm枠」の奪い合い?
記事によると、
中国聯合新聞網(UDN)が、IntelはTSMCの3nmプロセスの生産枠の大半を確保したと報じた
UDNがサプライチェーンから得た情報によれば、IntelはTSMCの3nmプロセスで3種類のサーバー向けプロセッサと1種類のグラフィックチップを生産することを計画しているようです。
ということです。
生産はTSMCのFab18bで2022年第2四半期(4月〜6月)に開始され、量産が軌道に乗ればウェハーベースで月産10,000万枚に達する見通し。TSMCで生産された製品の出荷も、2022年第2四半期(4月〜6月)に始まるとのことです。
今回のIntelの発注は、サーバー用のプロセッサが中心ということで、Appleのスマホ・Mac用のSoCとは用途が異なるものと考えられますし、Apple用の3nmプロセスチップの生産が開始されるのは少なくても1年以上先のことになるでしょう。
よって、「今すぐ」その影響が出る…ということではないかもしれませんが、問題は「限られている3nmの生産枠のキャパ」の問題です。
Appleが3nmチップの生産を本格的に開始されるとなると、その生産量は半端ない数に及ぶことになります。Intelが早くからこの「3nm生産枠」を使うことになれば、Appleの基盤を揺るがすことに繋がりかねません。
さらには、今後SoC化の流れが強まりそうだということを考えれば、AMD等のメーカーも、TSMC等の信頼できるチップ製造メーカーの生産枠を奪い合うことになっていくのかもしれませんね。
今後の生産枠拡大はどの程度?
当然、今後3nmチップ製造工場の拡大が図られていくことになるでしょう。
Apple関連の生産が開始される頃に、TSMCの生産環境がどの程度充実しているのか…が勝負になってきますね。
Appleとしても、Intel等の他メーカーの影響を受けないように対策をとるでしょうし、これまでのTSMCとの関係性から考えても、TSMC側もそれなりのAppleへの配慮をするのではないかと予想します。
いずれにしても、今後は「生産枠の奪い合い」が一つのテーマになっていくのかもしれません。