Windows11搭載PCの出荷が遅れる?
6月に発表された「Windows11」。
後は実際の登場を待つばかりです。
当然各PCメーカーは、Windows11をプリインストールした新型を一気に出してくるでしょうし、無償アップデートを心待ちにしている既存のユーザーも多いはず。
しかし、ここに来て、そんなWindows11搭載PCに関する不安な記事を見かけました。
半導体不足で、出荷が遅れる?
特にMicrosoftに痛手?
記事によると、
Windows Centralが、半導体不足の影響でWindows 11搭載PCの出荷時期に大幅な遅れが生じる可能性があると伝えている
ということです。
確かに世界的な半導体不足の影響は未だに続いているようですが、この記事には今後の見通しについても詳細に記されています。
それによると、
Bloombergによれば、半導体不足は改善に向かうどころか悪化しており、2021年6月から7月にかけて、半導体の平均納期は20週間以上と大幅に延びたと
一方、需要の多いマイクロコントローラーやロジックチップの納期は、平均26週間以上になることもあるのが現状
ということ。
つまり、しばらく続いている半導体不足は、悪化の一途を辿っている最中だ…ということになります。
更に興味深いのは、その影響が、Lenovo、HP、Dellなどの出荷台数が多いメーカーよりもMicrosoftなど出荷台数が少ないメーカーでより深刻になると同メディアは予想している点です。
恐らくは、大量に部品を発注するメーカーには優先的に部品が供給されるという、「大人の事情」が働いているのでしょう。TSMCとAppleとの蜜月ぶりを考えれば、すんなりと理解できそうです。
MicrosoftとGoogleの共通点
先日、GoogleのPixelがメジャーになり切れない理由について考えました。
今回のMicrosoftの苦悩も、このGoogleの事情と共通点があることは間違いないでしょう。
GoogleのAndroidOSも、MicrosoftのWindowsも、スマホとPCという違いはあるにせよ、非常にオープンなOSとして開放されており、それ故に両OSを使用するデバイスが広く、急速に拡散することになりました。
しかし、GoogleもMicrosoftも、OSを中心とするソフトウエアの会社ではあるものの、デバイス製造の分野では大きく出遅れてしまいました。
だからこそ、「自社製のOSを搭載するデバイスが売れない…」というジレンマを抱える子になってしまったわけです。
この真逆を行っているのがApple。
OSを自社生産のデバイスにしか搭載しない…という非常に閉鎖的な戦略をとることによって、特にPC業界でのシェアは10%ほどと勢力的には大きくないものの、しっかりとした足場固めができています。
更に、高級機専用の戦略をとることで、その利益率はWindows勢の比ではありません。
中・長期的に考えた時に、「OSを支配する側」と「独自路線を進む側」のどちらが勝ち残るか…ということは分かりませんが、現時点では、「Apple Silicon」を武器に、Apple側が攻勢に出始める時期に入っていることは明らかです。
いわば、時代の分かれ目とも言える時期に差し掛かっている…と考えると、何だかワクワクして来ます。
私のようなオヤジ世代は、Windows95の登場という時代の急変のまっただ中を経験してきた世代です。2020年を超え、四半世紀ぶりに1つの分水嶺がやってきていると言えるでしょう。