PCコロナ特需がいよいよ終焉か?
コロナ禍での在宅ワークの流れもあり、世界的にPCが売れまくっている…という状況が続いていました。
しかし、ここに来ていよいよその「特需」にも陰りが出てきたようです。
今回の特需を支えていたのは主に個人消費でしょうから、その購買活動が落ち着いてきた…ということなのでしょう。
そして…。
その中でも唯一成長を続けているメーカーが。
そう、Appleです!
M1の躍進
記事によると、
IDC Japanによると、2021年第2四半期(4月〜6月)のトラディショナルPCの出荷台数は328万台で、コロナ関連で需要が伸びた前年同期と比べて17.8%のマイナスでした。カンパニー別で、AppleはM1 Macの好調により出荷台数を伸ばしています。
ということです。
前年同期は、正に「コロナ特需」のまっただ中という時期でしたので、マイナスも納得できるのですが、それにしても「17.8%」という数字は結構大きいですね。
もしかすると、今後しばらくは、昨年度までの急成長の煽りを受けることになるのかもしれません。
具体的な数字を見ていきましょう。
これが今回のシェアデータ。
その下の2019年、2020年のデータと見比べると、非常に興味深いことが分かってきます。
昨年までは、「Lenovo・NEC・富士通」連合が50%をも伺う様相でした。
しかし、今回のデータでは「36.8%」と、大きくそのシェアを落としています。
出荷台数の減少以上に、このシェア率低下が非常に気になる点ですね。
その理由を考えてみるに、「HP」「DELL」のシェアは微減という程度で大きな影響を与えておりませんので、どう考えても「Appleの急伸」以外にはないかと…。
なんと、それまでの「3.6%」から「8.6%」へと大幅に伸ばしているのですから。
2020年末に「M1」という新技術が投入されたということに加え、「iMac24インチ」が登場したのが2021年5月であり、ちょうど今回の集計期間と重なります。
それにしても、「iMac24インチ」の購買層は全体からすれば非常に限定的でしょう。ライトユーザーはM1のMacBookAir/13インチProを選ぶでしょうし、パワーが欲しいユーザーはMacBookPro14/16インチやiMac27インチ後継機を待っているはず。
つまり、今回のMacの躍進は、昨年末に発売されたM1Macの動きをそのまま引き継いでいるものであって、iMac24インチによる限定的なものではないと考えられるわけです。
その考え方で行けば、今後もMacの躍進が続くことになるのではないでしょうか?
Windowsの停滞とMac躍進のチャンス
Windows側で考えれば、「Windows11」のリリースという前向きなニュースもありますね。
しかし、殆どがWindows10からのアップデート…ということになるでしょうし、OSが変わったからPCを買い換える…という旧態依然とした動きは殆ど起こらないでしょう。
はっきりいって、積極的に買い換えを考えたくなる要因が不足しているのではないでしょうか?
反面、Mac側を考えると、今後はM1X等を搭載したのハイパフォーマンス版Macの登場を控えています。
そして、正にこれらの機種、MacBookPro14/16、iMac27インチ後継機が、Macの主戦場。来年度には「M2」を搭載した新型MacBook Airの登場も噂され、Apple Siliconの代替わりも進んでいきそうであることを考慮すると、Macの強みが際立つここ数年の動きに終始するのではないでしょうか?
Appleとすれば、国内でのシェアを一気に伸ばす千載一遇のチャンスがやっていきているのでは?
半導体不足による新製品発売の遅れは痛いです。何とかこのチャンスを活かしてもらいたいものです。