2021年10〜12月期ドラマの見所を探る
2021年のドラマも最終クール、10〜12月期へと突入しました。殆どのドラマの1回目の放送が終わりましたね。
今回は、ゴールデンの時間帯のドラマについて、独断と偏見で語っていきたいと思います。
「相棒」「ドクターX」等の大物も来ていますが、基本的にテレ朝の「柳の下に…」という考え方が好きではありませんし、見ていてもさすがに同じ展開に飽き飽きしていますので、いわゆる視聴率ベースにおける評価とは異なってくると思います。
「くさい」が心奪われる「恋です!〜ヤンキー君と白状ガール〜」
個人的に最も注目しているのは、「恋です!〜ヤンキー君と白状ガール〜」です。
演技力に定評のある杉咲花さん久々の民放主演ということで、まずは観なくては…というところですね。
ドラマ枠からいっても、原作ストーリーからいっても、「ポップなラブコメもの」ということは分かっていましたが、想像以上に「ヤンキー君」側の描き方がソフトで、拍子抜けでした。もう少しハードで良かったかも…。
まあ、悪い人が出てこない…という昨今のヒットドラマの鉄則からすると仕方ないのかも…。
ストーリー展開もゆるゆるで、杉野さんの演技力にも課題が山積ですが、白状をもつ女の子が前を向く姿…という軸がしっかりとしていることに加え、杉咲さんがコケティッシュでコミカルなユキコを自然に演じ、かつシリアスな面もしっかりと表現していることで、ハートフルな展開が心地いいドラマとなっています。
1,2回は8%台の視聴率と、さほど振るっていませんが、3回目の放送は9%台に上がっているようです。今後に大いに期待できるのではないでしょうか?
また、演技という点で言えば、ユキコの姉役の「奈緒さん」が光っています。この方、正にカメレオン。どんな役柄も本当に自然に演じ分けられますし、感情表現が素晴らしい。
3話のラストを観ると、今後は獅子王との恋愛に発展しそうな予感…。こちらも楽しみです。
また、「田辺桃子さん」が、「ゆるキャン△」で見せた元気な役柄とは違うしっとりとした演技を見せているのも不思議な感覚。恐らくはこちらが彼女の本当の姿かと…。めるるもそこそこの演技をしていますし、脇役勢の活躍からも目が離せないドラマといえましょう。
前作との比較で弱さが目立つ「最愛」と「判捺し」
反面、若干の弱さを感じざるを得ないのが「最愛」と「婚姻届に判を捺しただけですが」です。
「最愛」は、湊かなえさん原作、榮倉奈々さん主演の「Nのために」のスタッフが集結したとのこと。
なるほど、ドラマの雰囲気、プロローグの描き方、カット割り等、正に「N」を彷彿とさせます。
しかし、そのミステリアスさ、切なさ、事件までの必然性等、グレードとしてはすべてに渡って「Nのために」が上回っていると感じます。
「最愛」は、事件までの流れが唐突で強引。里央と大輝の過去と現在の心情の描き込みが足りていないため、2話までの流れに心が付いていかない状態です。情報量も多すぎますし。
「Nのために」は、高校時代の2人の描き込みを十分に行ったため、最終盤まで主人公の思いを追うことができました。「最愛」は、今後、過去と現在の溝を埋めていくことができるのでしょうか?
「Nのために」は高校時代の純粋な心を引きずる「心理サスペンス」でした。
「最愛」の目指すところはどこなのでしょうか?
また、「婚姻届に判を捺しただけですが」もなかなかに中途半端な感を否めません。
「偽装結婚」というアプローチは「逃げ恥」、「借金返済」というアプローチは「プロミス・シンデレラ」と同様という、何ともいえないコンセプトです。
「プロミス・シンデレラ」も、借金を抱えるまでの過程が笑えるほどに強引でしたが、「判捺し」も負けず劣らず。双方とも「人身売買的」な行程で同居を決めることになる…なんて、TBSとしては違和感を感じないのでしょうか?
また、柊が、兄嫁の「美晴」への思いを封印するために「結婚」という事実が必要だった…というこのドラマの根本部分。あまりにも現実離れしすぎていて共感できません。
今後、明葉と柊の心が近づいて…ということになるのでしょうが、ストーリーが単純で読めてしまうだけに、物語を支えるベースの部分が陳腐すぎるのが、このドラマ最大の弱点になっていくと思います。
また…。
個人的には坂口健太郎さんの演技、足を引っ張っていると思います。相変わらず上達していないような…。一本調子なんですよねえ、昔から。
清野さんの演技力が高いだけに、非常に目立ってしまいます。
その他にも「日本沈没」という大物がありますが、1回目を観た段階で、
「トーンが半沢のまま…」
ということで、切ることにしました。
今後もあの勧善懲悪系のドラマが続くのであれば、日曜劇場からは距離を置かざるを得ないかも…。
皆さんはどのドラマに注目していますか?