新型Mac Proはやはり「複数ダイ」で来る?
Appleの「M1 Pro」「M1 Max」の様々なレビューが出てくる中で、全体的にはその高性能ぶりを称賛する情報が目立ちます。
先日ご紹介したように、YouTuberの瀬戸康史さんは、現行Mac ProとM1 Max搭載MacBook Proを実際の作業上で比較し、「メインマシンをM1 Maxに乗り換える」という決断を下しました。
ベンチマークでいうところのマルチスコアやグラフィック性能値はMac Proが高いのですが、実際の作業ではM1 Max搭載機の方がスムーズに作業できたり、動画書き出し等にかかる時間も短縮されたりしているようで、瀬戸さんは「Mac Proの非効率性」を声高に論じていました。
逆に言えば、Apple Siliconの中に全ての要素を組み入れるというSoCチップのよさ、しかも、設計全てをAppleが行いTSMCが製造する…というメリットを最大限に生かしているのが「M1 Pro」「M1 Max」だということです。
単純にスコア値ばかりを追う評価では見えてこない実地での検証として、非常に興味深い動画でした。
さて、ある部分では現行Mac Proをしのぐ場面も見られるということが分かった現行Apple Siliconですが、当然「その次」があるわけで…。
ラスボスとなる新型Mac Proに搭載されるチップに関しては、以前から、
「M1X(当時の呼称)を複数個、1つのチップ内にまとめて搭載する構成になる」
という説が唱えられていました。(1枚1枚のチップのことを「ダイ」と言うようです。)
そして…。
この度この情報を裏付けるようなApple Siliconの今後に関する記事が来ています。
第2、第3世代のApple Siliconとは?
高性能Macには「複数ダイチップ」?
記事によると、
The Informationの将来のAppleシリコンラインナップに関するレポートによると、Appleとそのパートナーである台湾TSMCは、5nmプロセスの強化版を使用して第2世代Apple シリコンを製造する予定であり、そのチップには2つのダイが含まれ、より多くのコアを搭載出来るようになる
ということです。
上掲の2記事を読むと、各世代のチップとその時系列がわかりにくい表記になっているのですが、元記事を参考にすると、
②第2世代(M2?)は、5nmプロセスの改良版(iPhoneでいえばA16Bionic相当)をベースとして製造される
③第3世代(M3?)は、3nmプロセスをベースとし、より多くのダイを搭載する可能性がある
ということのようです。
これにより、以前から予想していたように、
「Apple Siliconの高性能チップは、新規にチップを開発する…というよりは、元になるチップを複数個搭載してパワーアップを図る」
という考え方で構成されるようですね。
ある意味、非常にわかりやすい考え方です。
気になる点といえば、A16Bionicが5nmプロセスで留め置かれ、4nmにも進めないのでは…というような、TSMC側の開発の遅れが最近になって言及されていることです。
以前の記事でも書きましたが、今後はiPhone用Aチップがベースとなって、Mac用のMチップも製造されることになるでしょうから、Aチップの開発の遅れや性能の滞りは、そのままMac用チップへの打撃となって行く…ということになります。
「Apple Silicon = 高性能」というイメージを保つためには、これまで以上にチップ性能の優位性を保っていく必要がありそうですね。