中華系スマホSoCメーカー「UNISOC」が中国市場で急伸
MacにApple Siliconが採用され、「M1 Pro」「M1 Max」という高性能版のチップまで登場したことにより、ますます「SoCチップ」の注目度が上がっています。
これまでは「SoCチップ」といえばスマートホンというイメージが強かっただけに、いよいよ次の段階に進んだな…という間を受けます。
とはいえ、まだまだSoCチップの主戦場はスマートホン。
AppleがMacにApple Siliconで殴り込みをかけることができたのも、iPhoneに搭載するAチップで技術を磨き、確固たる地位を築くことができたからであることは誰しもが認めるところでしょう。
そんな中…。
中国市場において、新興メーカーである「UNISOC」が急伸している…という記事が来ています。今後Appleの脅威になるかもしれません。
Honor、Nokiaにチップ供給
記事によると、
調査会社のCINNOによると、2021年第3四半期の中国市場におけるUNISOCのSoC出荷数は410万個で、前年同期比147倍となった
ということです。
記事には、以下のような中国国内におけるチップシェアの資料が掲載されています。
驚くべきは、この「UNISOC」というメーカー、2020年の第3四半期、つまり1年前の実績は「0」だという点。
たった1年間で、中国国内第5位となるSoC出荷数に辿り着く…ということは、普通ではありえないことでしょう。
恐らくは、中国の「国策」として、国内企業の底上げを図る目的の下、官民一体の動きがあったのは間違いないかと…。
Xiaomi、OPPOなど、今や中華スマホは世界を席巻してます。HUAWEIの伸びは米国との紛争の中で衰えましたが、それでも中華製スマホは低価格機種を中心に世界中で売れまくっています。
しかし、今回の記事の資料で見ても、肝心のSoC自体は、MediaTek、Qualcommという台湾のビッグネームに牛耳られているのが現状ですし、一時は勢いを失ったiPhoneも今年は大いに売れているようです。
以前のHUAWEIのように、自国生産のスマホが中国国内はもちろん、世界中で売れることは、この業界での復権を狙う中国の夢となっていることでしょう。
今後、中国政府が「UNISOC」を強力に後押しするのであれば、大手中華スマホメーカーがそのSoCチップを採用することになることも考えられますし、「UNISOC」自体が独自のスマホを製造するようになることだって考えられます。
正に「HUAWEIの夢を再び」というところでしょう。
Appleは独自路線を行く
低価格スマホの分野で幾多のチップメーカー、スマホメーカーが競う中で、次第にAppleの独自性が顕著になってきますね。
iPhoneはその殆どがフラッグシップの価格帯。明らかに他のメーカーとは考え方自体が異なります。フラッグシップ域では、SamsungのGalaxyとも競合するでしょうが、Samsungも低価格帯の依存が結構高いようで、Apple以上に「UNISOC」の動向は気になるでしょう。
Appleとすれば、搭載するAチップに関しては常に「世界最高」の性能を提供していますし、SEなどの廉価版にも、最高のチップ、あるいは一世代ほど前のチップを積むことで、チップ性能に関しては他メーカーから付け入る隙は無いように思えます。
世界中にiPhoneの根強いファンがいること、製品の考え方にブレがないことを考えても、今後もiPhoneのシェアはある程度安泰といってもいいでしょう。
しかし…。
数年後に高性能スマホの分野で、新興メーカーが躍進してくることも考えられます。HUAWEIがそうだったように…。Appleとしても、現状に胡座をかくのではなく、常に世界市場の動向を注視しながら、その方向性を微調整していってもらいたいものです。