東野圭吾「マスカレード・ゲーム」 4月20日発売!
ここに来て、楽しみな本の新刊ニュースが続いています。
そんな中、4月に入るとついに東野圭吾さんの新刊登場です!
マスカレードシリーズ第4弾。「マスカレード・ゲーム」が4月20日に発売となります。
3つの殺人がゲームのように絡み合う?
集英社の紹介ページには以下のような文章が…。
今回は、バラバラの3つの殺人事件がひとつに束ねられ、その過程で「ホテル・コルテシア東京」を舞台にしたクライマックスが訪れる…といったところでしょうか?
当然ながら、警視庁捜査一課の「新田浩介」と、前作でフロントクラークからコンシェルジュへと格上げされた「山岸尚美」が事件解決とホテルの威厳を守るために動いていくことになるでしょう。
「マスカレード」の言葉のように、ホテルという匿名性が高い場所で行き交う人々の心の底に流れる澱のようなものが描かれることを期待したいところです。
余計な描写は排除して…
さて、前作マスカレードナイトに関しては、以下のようにレビューしました。
不満に思ったのは、
①終盤に犯人の独白で事件の真相を明かす…という作者のご都合主義のような形で事件の全貌を明かしたこと
②情報量が多すぎで、多分に本筋に関係ない文章を盛り込んで450ページが出来上がっていること
です。
「①」に関しては、禁断の一手という感じでした。本格推理物としては、当然ストーリーが流れる中で事件の真相が明かされていく…ことに期待したくなります。それが、読み手の期待を置き去りにして「最後に説明すればいいでしょ?」では、心も躍りませんし納得もできません。
「②」はより深刻。
関係ない文章を読ませられるよりだったら、事件に真実に関係ある部分だけを描写した方がより文章が締まるというもの。その上での伏線だったらどんなに話が複雑でも文章量が多くても納得できますが、推理に関して関係ない部分を描写しすぎて焦点がぼけてしまっては結果として重厚さに欠けてしまうことに繋がります。
この、
「余計なものを書いてしまう…」
という部分、個人的には東野さんの年齢的なものからくる筆力の衰えと見えてしまいます。どうも最近の東野さんの文章からは、筆者の自己満足のようなものを感じてしまうのです。
さて、最新作はどのような書きぶりになっているでしょうか?
詳細に描いているが余分な描写にはなっていない…という、以前のような緊迫感のある骨太な文章を期待したいところです。
★レビュー★