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TBSドラマ「妻、小学生になる」の視聴率が上がらない日本の未成熟さ〜演技の素晴らしさをそのまま受け入れよう!〜

回を追うごとに輝きを増した毎田暖乃さんの演技

 TBSドラマ「妻、小学生になる」の初回を観て衝撃を受け、記事を書きました。

 亡くなった妻が、見ず知らずの小学生に憑依して舞い戻ってくる…という展開はあまりにも現実離れしていますが、それ以上に毎田暖乃さんの演技が素晴らしかったからです。

f:id:es60:20220320111952j:plain まずもって、石田ゆり子さん演じる貴恵の話し方、抑揚、身振り等を完全に再現しています。
 10歳の子が、50歳台の大ベテラン演技派女優の演技を完コピするって、普通では全く考えられません。

 若干舌足らずな話し方ではありますが、毎田さんの演技には、活動的で周りの人達を放っておけず、温かい雰囲気の言葉遣いとしぐさ・行動でぐいぐいと突き進む「貴恵」を完全に演じ切ってきました。

 話し方の間合い、声の強弱、表情と連動した身振り手振り等の動作も石田さんのそれと全く同等の演技をこなしており、今回のドラマは毎田さん無しでは成立しなかったことは明らかです。

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 堤さん、吉田さん、時田さん、森田さんといった手練れの役者さん達も、毎田さんの演技あっての今回の役柄…という印象が非常に強かったですね。
 すべての人達に影響を与える「貴恵」という人物を、いかに毎田さんがしっかりと演じていたか…という証明になるのだと思います。

 ドラマの内容も、現実離れ感をいい意味で活かしながら、「現実離れした出来事の中だからこそ浮き出る人間の本質」を実に巧妙に描き出していたと思います。
 そして、最終回では恐らく「再生」に繋がるハッピーエンドになるのでしょうから、最終的には「人間のもつ強さ、可能性」のようなものに辿り着くのかと…。

 しかし…。
 これ程の内容がつまっていながら、このドラマ、視聴率的には芳しくありません。
 ここに。現代日本のドラマ視聴に関する未成熟さを感じずにはいられません。

 

人気俳優頼みではなく、役者の力量と脚本を正しく評価したい!

 こちらがここまでのコンクールのドラマ視聴率一覧です。

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【速報】2022年冬放送中の最新ドラマ視聴率ランキング&一覧!今期観るべき人気ドラマは? | ciatr[シアター]

 今クールのドラマにあって、内容、演技に関しては「妻、小学生になる」がダントツだったように感じます。
 他のドラマに関して言えば、そもそもの設定が強引すぎたり、テーマ性がぶれていたりというものが非常に目立ったクールでした。

 また、最近の傾向で言うと、テレ朝系ドラマやTBS日曜劇場などのように、同系統のシリーズ物や同様の演出が続いたりと、発展性の無い行き詰まりを感じるドラマが増加しているように感じます。

 その中にあってTBSの金10枠は比較的多様で斬新なジャンルを選択することが多いのですが、今回の「妻、小学生になる」はその中においても非常に目新しい設定のドラマでした。

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 また、最近のドラマ傾向として、「人気の俳優頼み」が非常に強いと感じます。
 まあ、ドラマの質が高ければ非常の魅力的なコンテンツになります。最近で言えば「綾瀬はるか」さんと「高橋一生」さんが組んだ「天国と地獄」は、キャストの魅力とストーリー性の秀逸さが見事にマッチしたドラマでした。

 しかし、せっかく優れた俳優さんをキャスティングしても脚本がゴミだとドラマの評価も上がりません。コンクールは結構のこのパターンが多かったようで、残念でした。

 「妻、小学生になる」は、この逆を行っています。
 主役は小学生。NHKでの演技は認められているものの、知名度は低い。
 しかし、いざドラマが始まってみるとその演技力は驚異的。脚本もまずまず優秀です。

 つまり、ドラマとしての派手さはないものの、非常にクオリティの高いドラマだということです。
 このようなドラマが出てきた際に、
「当初は視聴率が上がらなかったものの、キャストの演技と脚本の魅力が広がって後半の視聴率が急上昇する」
という展開にならなければいけません。

 今回の「妻、小学生になる」がそうならなかったということに、日本の未成熟さを感じずにすいられません。

 是非とも、
「いいものはいい」
「優れた作品見たい」
と考えることのできる視聴者が増えて欲しい。

 テレビ局側にも、人気俳優をキャスティングしてそこそこの視聴率を稼げていることに満足しないでいただきたい!

 さて、4月からの第2クールでは、どのような展開になるでしょう。
 やはり「綾瀬さんと大泉さん」のタッグが気になりますね。

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