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Apple「Mac Studio」レビュー④〜「Mac Studio」と「Mac Pro」の狭間で/動画編集・書き出しでの違和感は…

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Mac Studioで感じた動画編集アプリの違和感

 Mac Studioの実力をMac Proと比較しながら検証しております。

 これまでは、「セットアップ編」「ベンチマーク編」「動画アプリ検証編」として記事にしてきました。 

 今回は、「③」の動画アプリ検証で感じたことについて…。
 まずもって、「FINAL Cut Pro X」および「DaVinci Resolve 17」におけるMac Studioの動作は、以下のようにどれをとってもMac Proを上回るものでした。
※Canon EOS R5の4K・8Kの10分間動画書き出しデータ。

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 ここから感じる大きな疑問は、
「Apple純正アプリであるFINAL Cut Pro Xの脆弱さ」
です。

 

「DaVinci Resolve 17」の方が安心できる?

 Macユーザーとすれば、当然「FINAL Cut Pro X」を使用する上での第一候補に挙げるでしょう。
 しかしこのアプリ、これまでも「Appleが大好きなんだよ」さんのYouTube動画内の検証では、「書き出しが遅い」という傾向が強く出ていました。
 Premiere ProではGPUがフルに動作してレンダリング、書き出しともに、チップが高性能化するに従って時間も短縮する傾向にあるのですが、FINAL Cut Pro Xでは素直に時間短縮が図られないことが多いのです。

 今回の私の検証でも同様の結果になっていますね。
 もちろんMac Studioの方が高速になっているのですが、H.264/265の書き出しにおいては「DaVinci Resolve 17」の方が高速です。
 この際、アクティビティモニターを見ると、
「GPUがさほど動作していない」
ことが分かりました。だって、GPUが「5〜6%」しか動いていないんですよ!
 やはりGPUの処理がうまく裁けていないことが原因なのでは…と予想します。

 また、DaVinciでは、本来時間がかかるはずである「H.265」の書き出しにおいて、Mac Proの場合は時間がかかっているのにもかかわらず、Mac StudioではH.265の方が時間短縮になるという逆転現象まで起こっています。
 DaVinciでは、GPUが以下のように活発に働いています。

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 さらに、「8K」の動画を扱う場合も同様にDaVinciの方がかなり高速に処理できているようで…。
 無料版のDaVinciは8Kのままでの書き出しができないために断言はできませんが、「8K→4K」の変換の結果を見ると、恐らく「8K→8K」の書き出しでもDaVinciの方にかなりのメリットがあるのではないでしょうか?

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 つまり、「H.265」「8K」といった負荷の大きい処理に関して、FINAL Cut Pro Xは何らかの不安定さを抱えているのではないでしょうか?
 逆に、DaVinciでは負荷がかかるほどM1 Ultra本来の力を引き出す設計になっているようで…。逆じゃないといけませんよね!

 折しも、先日の「Appleが大好きなんだよ」さんの動画でも、エフェクトを多く入れた動画処理においてMac Proが最も早く、Mac StudioはM1 Max搭載のMacBook Proにさえ負けるという大波乱が起きていました。

 せっかくのApple Siliconの力を、純正アプリ側が発揮できないのであれば、これは由々しき問題です。
 処理速度ということを考えた時に、
「FINAL Cut Pro XよりもDaVinci Resolve 17を積極的に活用する…」
という考え方もありなのでは…と迷っている次第です。

 

「ProRes」では速いが…

 逆に、「ProRes 422」への変換では、FINAL Cut Pro Xが強さを発揮していますね。
 上記の表を作成した後に、DaVinciでもProRes書き出しができることを知り、計測してみると「2分46秒」と、かなり遅くなりました。

 しかも、FINAL Cut Pro Xのファイル容量が「90GB」だったのに対してDaVinciでは「127GB」と、とりまわしの上でも純正の強みを発揮した格好です。

 しかし…。
 この「ProRes」は我々一般人にはなかなか難しいファイルですよね。
 DaVinciで作成した「H.265」のファイルは、容量がたったの「2.15G」でした。
 「H.264」のファイルが「4.25GB」でしたので、正に「半分」の容量です。これでは、積極的に「H.265」を使いたくなるというものです。

 自分で使うにしても、誰かに手渡すにしても、普通は「2.15GB」をとるでしょう。
 今後、Apple側がこの点に考慮したFINAL Cut Pro Xのアップデートを行うことも考えられますが、これまでも同様の傾向を修正できていないことを考えると、私はなかなか厳しいのでは…と考えています。

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 また、「Appleが大好きなんだよ」が言及している、
「M1 UltraとM1 Maxとの間で処理速度に差が見られないシチュエーションがある」
ということも不安材料です。
 「M1 Max」搭載機をもっていない私としては、この「M1 Max/M1 Ultra」の関係性については確かめる術がありませんが、これからの様々なレビュー結果等を注視していきたいと考えています。

 次回は、Canon EOS R5におけるRAW現像に関して…。

★追記★

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