TSMCが最高益!
これまでTSMCというと、Appleとのタッグで最高性能のチップを製造するメーカーというイメージが強かったのですが、ここ最近はIntelやAMDとの結び付きも取り沙汰されています。
Appleユーザーとすれば、
「TSMCがバックに控えているのだから、チップ性能に関しては何の心配も要らない…」
という漠然とした安心感があったのですが、世界的な半導体生産の不透明さの中での他メーカーとの動きを聞くと、何だか落ち着かなくなるのも事実。
そんな中、TSMCの第1四半期の業績発表があったのですが、これが凄いことになっております。
それでも値上げするんでしょ?
記事によると、
AppleサプライヤーのTSMCが、2022年第1四半期(1月〜3月)の収益が、同四半期としては過去最高を記録したことを発表した
ということです。
詳しく言うと、
「2022年第1四半期の収益は4,910億8,000万台湾ドル(約2兆1,128億円)で前年同期比35.5%増を記録、同四半期としては過去最高」
ということのようです。
コロナ禍による世界的な半導体不足が叫ばれて久しいですし、最近では上海でのロックダウンが話題になっています。
しかし、
「TSMCは、制限を受けていない地域の工場に振り分けるなどして中国での生産を継続、また生産する製品の優先順位をつけてうまく需要に対応したことが、今期の利益増に奏効した」
ということです。
普通であれば、
「生産したいのに生産できない…」
という状況に陥り、どうしても収益は下がるものだと考えられますが、TSMCは非常にうまくやりくりし、生産量そのものを減らさずに乗り切っているようですね。
しかし、その裏で、昨年度来「チップの値上げ」に踏み切っていることは周知の事実。
iPhone13用のA15チップに関しては「価格据え置き」で勘弁してもらったと噂のAppleですが、iPhone14用のA16チップでは「値上がり」が予想されています。
「生産量の確保が難しいから値上げ」
ということであれば納得いくのですが、
「生産量は落とさないのにかかわらず値上げ」
では、TSMCの一人勝ち…と感じてしまうのは私だけでしょうか?
Appleとの力関係は?
非常に心配していることは、
「AppleとTSMCの力関係が変わってしまうこと」
です。
これまでは、双方が「WinWin」の関係で業績を上げてきた両者ですが、ここに来てTSMC側の力関係が上回ってきているのではないでしょうか?
たださえ不足とされる半導体。
しかもAppleが求める高性能チップを精算できるのはTSMCだけ…。
それに加えてIntel、AMD等、これまで以上に他メーカーからの引き合いがある…。
本来であれば、生産量が確保できているのであれば「価格据え置き」を求めてもいいところで「価格アップ」を飲まなくてはならなかったこと自体に、パワーバランスの変化を感じてしまいます。
「A16」はProモデルのみに搭載して値上げ、無印iPhone14には「A15」を据え置いて価格は据え置き…という構想を練っていると噂されているApple。
円安の影響を受け、割高に感じるようになっては、日本市場での売上にも影響を与えるような気がしますが…。