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ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless3」【レビュー②】〜「音質ファーストインプレッション編」・この音質バランスは…〜

肝心の音質はいかに?

 期待度Maxのイヤホン、ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless3」がやってきました。

 最近のゼンハイザーは、以前の低音ベースのゆったりとした厚みのある音質から、よりフラットに、そして、ボーカル帯と高音の伸びを重視したキラキラとした音へと変化している印象を受けます。

 その頂点が有線イヤホンの「IE900」でしょう。
 以前レビューしたように、iBasso「DX300Max」との組み合わせでは、全てに渡って大満足な極上の音を届けてくれます。 

 音が細やかで繊細。中音域のボーカルが耳元で美しく響き、高音はつまりなくどこまでも伸びていきます。
 それでいてゼンハイザー特有の中低音の艶もしっかりと残しているのですから驚き。音の分離、縦横の音の立体感も完璧。

 もちろん、有線・無線の違いや価格の違いがあるわけで、総合的な音質どうこうを言うつもりはありませんが、「ワイヤレスノイキャン」の範疇でゼンハイザーがどのような答えを出したのかが非常に気になるところです。

 レビューでは「2022年の優勝決定」という声も上がっている「MOMENTUM True Wireless3」。
 まずは試し聴きの印象を…。

 

おやっ… 音作りが崩壊してはいまいか?

 初代「MOMENTUM True Wireless」では、取って出しの音質と数十時間エイジングした音質とでは天と地ほどの差がありました。
 しかし、2代目や、最近の有線イヤホンを試していると、その傾向が殆どなくなっているような印象を受けます。

 ですから、今回のファーストインプレッションがそのまま音質の評価になってしまうことも考えられるわけで、ドキドキしながらの初聴きです。
 比較するのは、これまでの「絶対王者」であるWF-1000XM4。

 「MOMENTUM True Wireless3」の音質は…

〇(ワイヤレスの限界で、もちろん有線に比べるとベールがかかっている印象は残るものの)解像感が高く、一つ一つの音がクリアに聴こえる。
〇左右への音の広がりが顕著。

〇とにかく中音域が非常に目立つ。IE600のドライバーを採用しているということで、同様のチューニングか?

□全体として腰が高い印象。強い低音が苦手な私でも「もう少し低音が欲しい」と感じる程度。それだけ中・高音が支配する音。好みが分かれるか?

 

△特に中音が近すぎる。ボーカルだけが非常に近く聴こえ、低・高音域が下がっており、「音の立体感(前後の重なり)」に大きな違和感を感じる。というか、音のバランスが崩壊しているかもしれない。
△加えて、左右への分離が極端すぎる傾向があり、この「左右の広がりの違和感」が前述した「立体感の違和感」を増幅させている。
△解像度がある程度高いこともあり、異様に近い中音域がシャリついて聴こえる。解像感はあるのだが違和感があるという感じ。
△音の重なり、立体感に違和感があるため、様々な音が「スポット的に」鳴っているような印象を受ける。音場に「穴がある」「繋がっていない」ような…。

 音の素性は素晴らしいのです。
 非常に解像度が高く、分離製も優秀。
 しかし…。

 我々は「音全体」をトータルとして聴くわけで、どこかが悪目立ちしていたり、繋がりが悪かったりといったバランスの崩れは音作りとして致命的な印象を与えてしまうことになります。

 転じてSONY「WF-100XM4」はそのバランスが非常に素晴らしい!


 音の解像度に関しても、「MOMENTUM True Wireless3」にひけをとらないと思います。「MOMENTUMがダントツ!」と評している方が多いですが、MOMENTUMもしっかりとワイヤレスの限界は有しており、私には「ダントツ」の音には聴こえませんでした。
 特に中・高音側の刺さりが結構気になりましたし…。

 当然ではありますが、「IE900」は「解像度が高いのに耳障りは悪くない」わけで、シャリシャリしているのを「高音質」と捉えてしまってはいけないと思います。

 やはり致命的なのは、
「中音域が異様に近くで鳴っているような印象を受けること」
「それに加えて左右の広がりが顕著であるため、左右の広がりや前後の重なりのチューニングが整っていないこと」
なのではないでしょうか?

 その結果、「立体感が乏しく違和感がある」音になってしまっているのでは?

 この部分が非常に上手なのが「WF-1000XM4」です。
 以前のレビューで「新時代到来」を感じさせてくれた部分。

 「MOMENTUM True Wireless3」で感じ取ることのできる解像感の高さに関しては、「WF-1000XM4」も負けてはいません。どちらも素晴らしく、「MOMENTUMの完全優勝」といったレビューは、私は「言い過ぎ」だと思います。
 「MOMENTUM True Wireless3」の解像度の高さが悪さをしていることを考えると、逆に「WF-1000XM4」の秀逸さが光るのではないでしょうか?

 音楽全体が高い段階で整えられ、モニター的に整った部分と、リスニング的に楽しく心地よく聴かせる部分とが見事にマッチしているのは、私は「WF-1000XM4」だと考えます。現時点では…。
 「MOMENTUM True Wireless3」を聴くと、やや低音にブーミーさが目立ちますが、ここはイコライザーで調整できますので…。

 おやっ…。
 ダントツで「MOMENTUM True Wireless3」!…となることを期待していたのですが、本当に意外な結果になってしまいました。
 今後のエイジングでこの印象は変わるのか?

 次回はノイキャンを含めた使い勝手について。

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