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ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless3」【レビュー④】〜「音質最終評価編」・シャリ付きが止まらない〜

「MOMENTUM True Wireless3」の音質最終評価は…

 ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless3」のレビューをしております。 

 これまで、「到着編」「取って出し音質編」「使い勝手編」と来まして、今回は音質に関する最終判断をしたいと思います。

 「取って出し音質編」では、意外なことに不満点が非常に際立つことになりました。(あくまでも個人の感覚です)
 その際のレビューがこちら。

〇(ワイヤレスの限界で、もちろん有線に比べるとベールがかかっている印象は残るものの)解像感が高く、一つ一つの音がクリアに聴こえる。
〇左右への音の広がりが顕著。

〇とにかく中音域が非常に目立つ。IE600のドライバーを採用しているということで、同様のチューニングか?

□全体として腰が高い印象。強い低音が苦手な私でも「もう少し低音が欲しい」と感じる程度。それだけ中・高音が支配する音。好みが分かれるか?

 

△特に中音が近すぎる。ボーカルだけが非常に近く聴こえ、低・高音域が下がっており、「音の立体感(前後の重なり)」に大きな違和感を感じる。というか、音のバランスが崩壊しているかもしれない。
△加えて、左右への分離が極端すぎる傾向があり、この「左右の広がりの違和感」が前述した「立体感の違和感」を増幅させている。
△解像度がある程度高いこともあり、異様に近い中音域がシャリついて聴こえる。解像感はあるのだが違和感があるという感じ。
△音の重なり、立体感に違和感があるため、様々な音が「スポット的に」鳴っているような印象を受ける。音場に「穴がある」「繋がっていない」ような…。

 今回は、その後十数時間鳴らし込んだ後での評価です。
 その結果を受け、今後のメイン機を「MOMENTUM True Wireless3」で行くのか、SONY「WF-1000XM4」で行くのかを決定したいと思います。

 

中・高音のシャリ付きが止まらない

 以前のゼンハイザー機であればこの期間に大幅な音質傾向の変化がありましたが、最近の機種の傾向に漏れず、本機も取って出し時との大きな変化は感じられずでしたので、今後更なるエイジングをしたとしても全体の傾向は変わらないものと判断しました。

 結論から言えば、以下の2点から「WF-1000XM4」の方が優秀だと判断しました。

①「取って出し時」に評価したように、中音域(ボーカル帯)の近さが異様に際立っており、音作り全体のバランスを大きく壊している
②その張り出す中・高音の解像度を高めようとするためか非常に「シャリ付き」を感じる人工的な音になっている

 まず①に関して。

 私が使用しているiBasso「Dx300Max」で聴く「IE900」も非常に中・高音が煌びやかでボーカル帯が近く感じます(詳しくは以前のレビューを)。

 基本的にはこの「ボーカルが近い」という音作りは非常に好みです。ヘッドホンである「HD820」と「IE900」を比較した際に、このボーカルの近さで「IE900」を好んで選択するくらいですので。

 しかし、この「MOMENTUM True Wireless3」はいかんせん「近すぎ」です。
 聞くところによると「IE600」と同じドライバーを使用しているとのこと。IE600が「MOMENTUM True Wireless3」と同様の音作りなのであれば、IE600にも問題が残ることになるかもしれません。
 実際はどうなのでしょう。

 中音域が近すぎるため、音全体に不自然さが残りますし、何よりも全体的に「平面的」になっています。
 「WF-1000XM4」では音の広がり・重なりの表現が非常に優秀で、音がしっかりと立体的に聴こえますので、この点は結構致命的だと感じました。

 ②に関して。
 一聴して、非常に「解像度が高く」聴こえます。
 しかし、しばらく聴いていると「無理矢理」ツンツンとした音にさせられている…というのが分かってきます。キンキンしており、耳障りなのです。音が割れるまではいきませんが、常にシャリ付いている感じ。

 これが、「解像度が非常に高い」と評価を上げている原因なのでは…と考えます。
 この無理矢理なシャリ付きを念頭に入れてWF-1000XM4と聞き比べると、SONYは決して無理矢理に加工しない範囲の中で高い解像度のある音作りを実現していることが分かります。

取って出し時に感じた、
「WF-1000XM4も十分に解像度が高い」
と感じた感覚は間違っていなかったと確信できました。

 ちなみに「IE900」は、当然ながら非常に煌びやかに中・高音を鳴らしますが、嫌なシャリ付きのようなものは皆無です。厚みのある低音との繋がりも良く、「MOMENTUM True Wireless3」とは真逆で前後の立体感の表現が半端ありません。

 「MOMENTUM True Wireless3」に関しては、どうしても解像度を上げたいがためにチューニングを誤った…としか考えられません。

 

勝者「WF-1000XM4」

 というわけで、今後もワイヤレスイヤホンは「Wf-1000XM4」を利用していくことにします。

 そもそもが、本格的に高音質で聴きたいときには「IE900」ですので、ワイヤレスイヤホンの音質の限界をしっかりと理解しながらの利用です。

 それにしても…。
 今回の音作り、ちょっと意外でした。
 恐らく、「IE600」では無理矢理解像度を上げるようなチューニングをする必要はないでしょうから、本機のような違和感はないでしょう。「IE900」との違いは、ボーカル帯を近くで聴きたいかどうか…ということで選択できる機種構成になっているはず。

 ということは、このあたりが完全ワイヤレスイヤホンの音の限界なのかもしれません。

 あっ、それから、大前提として今回のレビューは当然ながら私の個人的な見解であり、本機の解像感の高さを好む方を否定するものでは全くありません。

 次回は、今後のイヤホンに対する考え方について…。 

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