スマホ VS 一眼カメラ
現在のスマホにおける最大の注目ポイントは「カメラ」になっています。
毎年新型のスマホが登場する度に、レンズ数が増えたり、大型のレンズ・センサーが搭載されたりと、メーカー側もカメラ部、写真画質の向上に力を入れているのがよく分かるアップデートが続いています。
iPhoneにしても、リアカメラのレンズ数が3つになり、現行iPhone13 Proではレンズが大型化。時期iPhone14 Proでは更にレンズが大きくなる…という噂がありますね。
それに伴ってスマホで撮影する写真の画質が向上しています。
これまではEOS KISSなどの一眼レフを利用したきたファミリー層が「スマホで十分」と考えるのも致し方がないかと…。
しかし、以前実験したように、スマホと一眼の間には埋められない画質の壁がある…というのが私の考え方です。
しかし…。
一眼カメラのセンサーも製造している「ソニーセミコンダクタソリューションズ社長」が聞き捨てならない発言をしています。
スマホが一眼を超える?
記事によると、
ソニー セミコンダクタソリューションズ(SSS)代表取締役社長 兼 CEOの清水照士氏が、「ここ数年以内に、静止画では一眼カメラの画質を超えると見ている」と発言した
ということです。
清水氏の根拠としては、「スマホカメラレンズの大型化」「AI技術の進化」を上げていますね。
皆さんはどう考えますか?
私は「無理」だと思います。
確かに暗部性能や単純な画素数など、スマホが太刀打ちできる部分もあるでしょう。
しかし、暗部性能に関してはあくまでもAIによるデジタル処理によるもの。また、現行1億画素を超えるスマホカメラもある中で、それを破綻なく画像にするためにはどうしてAIの技術が必要。
つまり、むりやり加工を加える…という力業です。
逆にデジタル一眼カメラは、大型のセンサーに大型の高性能レンズを備え、できるだけ「光学的」な部分を大切にしながら処理することで、より自然な画質を目指しています。
「無理矢理」VS「自然に」の対決。
これでもし「無理矢理」が勝利するようであれば、それこそ一眼カメラのジャンルはすぐにでも消失するでしょう。
しかし、それはいくら何でも無理でしょう。
前掲のブログの記事で比較した際に感じたスマホと一眼の最大の差は、
「画像の立体感、リアルさ」
です。
いくら機械的にノイズレスに処理できていても、写真としての立体感に決定的に欠けているため、所謂「写真」としてのリアリティーに決定的に欠けるのです。
この部分を補うために、最近のスマホのポートレートモードもかなり優れたものになっているようですが、それでも不自然さは残るでしょうし、絞りに応じて背景を思い通りにボケさせる…というカメラ本来の楽しみ方がスマホではできません。
また、特に高級レンズのとろけるようなボケ味はスマホでは表現が難しいのでは?
SONY関連会社社長の発言とは思えない!
清水氏は、ここまで考えた上で今回の発言をなさったのでしょうか?
SONYはCanon、Nikonとともに世界の一眼カメラを支える一大企業です。
その関連会社の社長がこのような発言をするというのは、あまりにも慎重さに欠けたのではないかと残念でなりません。
もし本当に2年でデジタル一眼の未来がなくなるほどにスマホカメラが進化したのであれば「ごめんなさい」ですが、そんなことが本当に実現するのであれば、CanonもNikonもSONYも大変なことになるでしょう。
この清水さんという方…。
一眼カメラの本質、本当のよさを分かっていらっしゃるのでしょうか?