注目度NO.1は「ステージマネージャ」
予想通りというべきか…。
WWDC2022で最も注目されたのは、MacでもなくiPhoneでもなく、iPadでした。
正確には「iPadOS16」の「ステージマネージャ」機能。
そう、ついにiPadで複数ウインドウを重ねて表示できるようになり、iPadにおけるマルチタスクの考え方が根本的に変わりそうです!
しかし、逆にiPadの限界やMacとの違いが明確になる…という面もあるわけです。
まあ、2022年が新たなiPadの幕開けになりそう…ということでは喜ばしい限りです。
マルチタスクの新見解
「ステージマネージャ」とは、
アプリケーションとウインドウを自動的に整理し、タスク間の切り替えをすばやく簡単にできるようにする新機能
ということになります。
これまでのiPadでは、基本的に現在開いているアプリしか視認できませんでした。Split View、SlideOverという技術により、対応アプリで画面を分割したり、フロート画面を表示したりするアイデアが導入されていましたが、これらの場合も画面が全て覆い尽くされた形での表示となっており、
「デスクトップの好みの場所に好みの大きさでウインドウを配置する」
ということは全くできなかったわけです。
このあたりの使い勝手がMacとの決定的な違いのひとつとなっていました。
しかし、iPadOS16で導入される「ステージマネージャ」では、使われていないアプリのウインドウは画面左端に小さいウインドウで表示され、使用中のウインドウは中央部に大きく表示される…というMac風の表示形式にすることができます。
これにより、現在使用中のアプリ確認が格段にしやすくなる上に、大きく表示されているウインドウのサイズも自由に変えられるようになるとのことで、複数ウインドウを並べて表示しながら操作する…といった夢のような環境を手に入れることができそうです。
M1搭載のiPadに限定される機能のようですが、これ、12.9インチの大画面を活かす上でも革新的な機能と言えますね。
また、iPadでのみ使用できるApple Pencilを駆使して、複数ウインドウを行き来するような使い方はMacでもできないこと。
iPad限定のスタイラスを使った利用が、Macライクにできる…。
もはやわくわく感しかありません!
どの程度の快適な動作をするのか、早く試してみたいものです。
それでもMacとの差は絶対的
それでも…。
私はあくまでもiPadはiPadであり、MacはMacだと考えます。
「ステージマネージャ」で画面内の複数ウインドウ表示の可能性が広がるわけですが、それはあくまでも「一画面内」での話。
Macの仮想デスクトップのように、複数のデスクトップを行き来する…という操作感ではありません。
「大画面」とはいえ最大12.9インチのディスプレイですので、自ずと限界も見えてくるでしょう。
Macはデスクトップ環境であればいくらでも画面サイズを広げられる上に複数の仮想デスクトップをいくらでも作成して利用できますし、マルチディスプレイを構成すればその可能性は無限大です。
iPadも外部ディスプレイと接続することで更なるマルチ環境を手に入れることができるようですが、本体での表示はあくまでも一画面。ここが決定的に違うんですよね…。
また、気になるのは、これまで「MacとiPadは融合しない」としてきたAppleの考え方です。このままiPadのMac化を進めるのか?
MacでApple Pencilを使用することを想定したかのような特許が取得されているようで、その動向には注意を払っていく必要がありそうです。
まあ、当然実現までには相当の時間がかかりそうですが…。