Appleの強気は中国が支えている?
「iPhone14シリーズは13よりも売れる…」
Appleはそのように考えているようです。
しかし…。
冷静に考えるとそれはなかなか難しいようも思えます。
まずもってベース価格の引き上げ。
「100ドルアップ」の値付けになると考えられているのはご存知のとおり。
また、期待されていた「3nmプロセスルール」チップの搭載も見送られる見込みですし、目玉となる機能の追加もありません。
「無印」に関しては、新たに6.7インチモデルが新設されるようですが、チップはA15Bionicで留め置き…。
当たり前に考えると「様子見」か「買い控え」となるモデルのような気もします。
来年のiPhone15では確実に「3nm」のチップが搭載されるでしょうし、Face IDの画面埋め込み等の新しい技術にも期待ができます。
これでもAppleが強気でいられる理由がよく分からないのですが、もしかするとその裏には中国での売れ行きがあるのかもしれません。
「中国頼み」には危険も…
記事によると、
ロックダウンの影響で4、5月に落ち込んだ中国本土におけるiPhoneの出荷台数は、6月にその反動で増加し、前年同月比で200%以上の増加を記録したことが、中国情報通信研究員(CAICT)の最新報告書により明らかになった
ということです。
報告によると、6月のスマホ出荷台数「2,747万8,000台」のうち、海外ブランド台数は「350万台」で、そのうちの殆どをiPhoneが占めているとのこと。
2022年4月〜6月のiPhone出荷台数は前年同期比25%増で、スマホ業界全体の21%減と比べるとかなり好調…と分析しています。
海外スマホの割合自体が「約12.7%」ほどとそれほど高くはない状況ではありますが、中華スマホの出荷台数が減少している中にあって、iPhoneの一人勝ち状態となっているようですね。
一月で「350万台」というのは中国市場の大きさを示すものです。
AppleがiPhone14シリーズの年内出荷見込みを「9,000万台〜1億台」と見込んでいる…という報道もありましたが、その強気の裏には、中国市場の堅調ぶりが少なからず影響しているのかもしれませんね。
しかし…。
この「中国頼み」には大きなリスクもあることは明白です。
昨今の米中関係はウクライナ問題において更に緊張感が増していますし、iPhone不買という動きがいつ再燃してもおかしくはないでしょう。
また、HUAWEIの撤退で一時的にハイエンド市場がiPhoneに振れているのでしょうが、今後中華スマホの躍進が始まる可能性もあります。
これに、生産を中国に頼り切っている…というAppleの苦しい事情も考えると、
「中国がこけたらAppleも…」
という構図が成り立っているような気がしてなりません。
Appleは中期的な見通しをもった戦略を練る必要があります。
生産にしても、販売にしても、あまりに目先の利益にとらわれているような気がしてなりません。