製造拠点分散も中国国内?
今年の上海ロックダウンでは、Appleもデバイスの製造、輸送に関して大打撃を受けました。
春先には、
「製造は終わっているのに、いつまでも上海から出荷されない。」
「お届け予定日がどんどん遅れていく!」
という嘆きの声が上がっていましたね。
以前からAppleの中国依存に関しては警鐘が鳴らされていました。
iPhoneSEの製造がインドで行われるようになったり、他の東南アジアへの移行の噂が上がったりしましたが、根本的な解決に向けてAppleが動いているようには思えません。
そんな中…。
MacBook Pro/Airの製造拠点分散に関する記事が来ています。
ただ、中国国内での移動のようで…。
中国との信頼関係、大丈夫?
記事によると、
DigiTimesが、Appleは中国におけるMacBook ProおよびMacBook Airの製造拠点を分散させることを計画していると報じた
ということです。
これはAppleもいよいよ重い腰を上げたか?…と思って記事を読むと、
「MacBookの組立作業の約60%を担当するQuanta Computerは、これまで上海工場のみで製造していましたが、その一部を重慶の工場に移管する見通し」
という内容…。
つまり、製造工場を上海と重慶に分散させる…ということのようです。
確かに、一方の都市で何らかのトラブルになった際にもう一方の工場で製造できる…ということは理解できるのですが、我々が心配しているのは、「中国集中のままでいいのか?」ということであり、根本的に視点がずれていると感じます。
「コロナ」という観点だけではなく、最近のウクライナ・台湾情勢を考えた際、
「中国という国が中期的に見て信頼できる国なのか?」
ということを考える時期に来ているのではないでしょうか?
今後これ以上米中関係がこじれた際、あまりにも中国での生産にこだわっていると結局困るのはApple側です。
もちろん、現在の中国がコスト面、製造における信頼度という面でベストな状態にある…ということは理解できます。
しかし、今後の展開を考えた際、そろそろ新規開拓をしていく時期に差し掛かっているのでは?
ロシアの蛮行に理解を示し、台湾に脅しを欠けるような国を信頼してもいいのか?
大人の事情も当然理解できますが、それにも限界があるように感じます。