「Parallels Desktop 18 for Mac」+「ARM版Windows11」の使い勝手は?
先日は、Parallels Desktop 18 for Macの登場と同時に、「ARM Windows11正式版」も同時に導入できるようになっていた…という衝撃の事実を知り、Mac Studioに導入したことをお伝えしました。
Windowsの環境も必要な「AppleSilicon Mac」ユーザーにとっては待ちに待った正式版ARM Windowsの発売になりますが、Microsoft側も正式に発表していたようですね。
Windows 11、Arm64ECを正式サポート〜Armアプリの開発が容易に - iPhone Mania
何はともあれ、Parallels側、Microsoft側の双方が正式に対応したことにより、「AppleSilicon Mac」の可能性が広がったということは間違いありません。
今回は、「Parallels Desktop 18 for Mac」+「ARM版Windows11」の使い勝手に関してのファーストインプレッションをお届けします。
ビジネス系ソフトウエアはバッチリ、ゲームは厳しいか?
今回のレビューは、「Mac Studio(M1 Ultra/48コアGPU/64GBメモリ)」における使用になります。
まずは「Parallels Desktop 18 for Mac」と「ARM版Windows11」のインストールですが、前回の記事でご紹介したように、本当にスムーズに進みます。
これまでのIntelMacでParallelsを利用したことがある方であれば、全く戸惑わないでいけるでしょう。
私がどうしてもWindows環境が欲しい理由の一つが、「一太郎」「花子」というジャストシステム系ソフトウエアを利用したいからです。
そして、今回のParallels上でもしっかりと何の問題も無くインストール終了。
動作も全く問題ありません。
以前から、
「ARM版Windowsでもx86系ソフトウエアの殆どが問題無く動作する」
という情報がありましたが、その噂は本当だったようです。
その他のビジネス系ソフトの動作も全く問題なし。
恐らくはARM版だからといって身構える必要はなさそうです。
そうであれば…ということで、ゲームの動作も確認。
「信長の野望シリーズ」最新作である「新生」のインストールも無事に完了。動作も問題ありません。
ゲームがいけるのであればこれは大丈夫そうです!
さて、そうなると気になるのが「動作感」ですね。
まずもってビジネス系ソフトに関しては以前よりもキビキビ感が増していて、仮想化ということを意識する機会はかなり少なそうです。
私の環境がMac Studioということもあり、マシンパワーのせいかもしれませんが、Parallels側も毎年パフォーマンスアップをは図ってきており、まあ問題無いでしょう。
そしてゲームなのですが、こちらは厳しい面もありそうです。
「信長の野望 新生」に関しては、Mac ProのBootCamp上での動きに比べると、全ての動作が確実にワンテンポ遅れる感じ。
カクつく…まではいきませんがその差は歴然といったところです。
まあ、問題無く動作しますし、フリーズ等の不具合も出ません。ストラテジーゲームであれば何とかクリア…といったところか?
恐らくアクションを伴うゲームはかなり厳しいでしょう。
このあたりは以前のParallelsと同じ…といったところです。
ちなみに、アクティビティモニタでメモリ量を確認してみると…。
Parallelsによって仮想化状態にすると、10GBのメモリを追加で使用しています。
Windows11を起動し、一太郎・花子を立ち上げた上で、DPP、DaVinci Resolveを起動させ、DPPでRAWファイルの編集をすると以下のようになります。
まだメモリには余裕があり、各アプリの動作も全く問題ありません。
また、「信長の野望 新生」を立ち上げると以下のようになります。
キャッシュの量が一気に増加しますね。
また、GPUを結構使用しており、同時にCPUの内部温度が若干上がりました。
しかし、ファンの回転数は通常通り。温度もほんの数度上がっただけ…と、逆にMac Studioの冷却性能の高さにあきれる…といった結果になりました。
まとめると、
〇これまでのx86系ソフトウエアの動作は基本的に問題なし
〇ビジネスに関しては快適に動作
〇ゲームに関してはグラフィックを盛り盛り使うゲームはさすがに厳しそう
というところ。
つまりは、これまでのParallelsに対する感覚をそのままトレースすることができる…ということですね。
あとはParallelsの信頼性…
とりあえず、Microsoft側がOEM版以外でも正式にARM版Windows11をリリースしてくれたことが一番の収穫です。
MacOS上でWindows系ソフトウエアを開きながらMac側のアプリとの間でデータのやり取りを自由にできる便利さは、BootCampにはない最大の利点です。
あとは、Parallelsの挙動ですね。
これまでも、当初は安定していた動作が急に…ということを繰り返してきました。
また、Mac Proの活用方法について考えてきましたが、どうしてもBootCampで快適に、そして安心してWindowsを動作させる…ということを考えると、Mac Proは欠かせません。
Mac Studioのバックアップとしても、Mac Proの性能は強み。贅沢なバックアップですが、まだMac Proに頼る機会は多そうです。
これで…。
「AppleSilicon Mac」上でもBootCampが使えるようになれば、恐らくMac Proはお役御免になるかと…。
macOS Venturaでは無理でしょうが、来年のmacOSではどうでしょう?
Apple側も頑張ってくれるといいのですが…。