無印iPhone14の大失速
先日、「無印iPhone14」が売れていない…という記事を書きました。
売れていないので「無印減産」、「Pro増産」という非常にシンプルな構図となっていきそうですね。
「mini」も同様の経緯を辿って、2年間で消滅してしまうことになりましたが。
しかし…。
記事にも書きましたが、不人気なのは「mini」であって、6.1インチ無印iPhoneは堅調に動いておりました。
当然、販売実績で見ると「Proよりも無印が売れている」という非常に順当な状況だったわけです。
Proはイメージリーダーではあるが、価格差もあって、実際には「無印」が最もよく売れる…。
「よく売れる」ということは最も大きな利益をAppleにもたらす…ということになりますね。
この状況が崩れ始めているのが今年です。
「無印」の販売状況が致命的な模様…。
期待の大画面「Plus」のシリーズ内販売における割合は僅か「5%」という情報もあります。
Appleは安泰なのか?
何故か情報は二分しているようです。
成長か、衰退か?
まずは警鐘を鳴らす記事。
Appleの株価が急落し時価総額17兆円が消失、投資判断引き下げ - iPhone Mania
iPhoneの出荷台数低迷で影響を受ける10社〜BofAが列挙 - iPhone Mania
無印の不調を受け、株価が1200ドル近く(4.9%)減少した…ということ。
まあ、AlphabetやAmazonの株価も3%近く下がっているということで、世界的な経済状況も加味されているようですが、それにしても下落幅はAppleが明らかに高いですね。
金融機関大手Bank of America(BofA)のアナリストが、Apple株の投資判断を「買い」から「中立」に引き下げたというとで、今後の動向から目が離せません。
更に…。
この「無印」→「Pro」という路線変更によって、大きな影響を受ける企業が少なからずある…ということも記事になっています。
これまでもApple側の意向で様々な机上が悲喜こもごもの運命を辿っているようですが、シーズン途中でのマイナス的方針変更は、Appleにとっても好ましいものではないはず。
来年度以降のサプライヤーとの契約において遺恨を引きづら無ければいいのですが…。
しかし…。
これらのマイナス要因があるにもかかわらず、大きな影響はない…と見る向きもあります。
iPhone14 Pro Maxの人気がシリーズ全体の出荷台数を押し上げている - iPhone Mania
ここで気になるのは、
「無印の不調分をProが補い切れている」
という見方をしている点です。
この記事には以下の資料が用いられています。
パネル発注数の資料ですが、特に「Pro Max」の受注分が伸びており、無印の尻拭いが可能である…という考え方のようなんですよね。
でも…。
これ、あくまでも「発注数」であり、デバイスの「販売台数」ではないわけです。
iPhone14 Plusは、14シリーズ全体の中で、たった「5%」ほどしか売れていないということです。
であるならば、
「iPhone14 Plusはそれなりの数生産されているが(あるいは生産の予定で部品は生産済みであるが)、全く売れずに余剰在庫がだぶついている」
ということになるでしょう。
実際の売上で考えれば、上記の14シリーズのグラフは13シリーズのものよりも大きく低下することになるのではないでしょうか?
中・長期的な動きが気になる
第3四半期の業績発表も控えるようですが、むしろ気になるのは第4四半期、あるいは来年度の業績です。
今期は「Pro人気」もあって、業績的には大きく減らさないかもしれませんが、これが収まってきたときに、「無印が売れていない」ことの影響が数値になって現れるのではないでしょうか?
もしそうなったときに、Appleはどうするのか?
あるいはそうならないように、今のうちから対処するのか?
iPhoneの足下の揺らぎは、好調であるAppleの他の分野への影響も大きいはず。
うまい具合に捌いて欲しいものですが…。