2024年、Qualcomm版「Apple Mシリーズ対抗SoC」登場の噂
コロナ禍での「PC特需」もとうの昔に収まり、現状は低迷期に入っている…という情報もあります。
そんな中、1人で気を吐いているのがApple Silicon搭載のMac。
他メーカーが販売台数を減らす中、唯一成長を続けている…という記事先日紹介しました。
Appleの製品ということで、コスパから見るとWindowsPCには適わないわけですが、多少お高めでも「性能」「省電力性」「バッテリー持ち」「発熱」等の評価項目において、高い次元でバランスがとれたデバイスになっているのが、現状の「AppleSilicon Mac」だと考えます。
2023年も、3月頃に「M2 Pro/Max」、6月のWWDCには「M2 Extreme」等のハイパフォーマンスチップが登場し、早ければ年末には次世代「M3」が登場してもおかしくない流れになっています。
対抗する他メーカーも「SoC」チップのよさを認識し、現在Appleが独占している市場に参入する動きもあるようですが、PCのメインチップという範疇では、なかなか思い通りには進んでいない感も受けます。
そんな中…。
スマホ用のSoCチップでAppleとしのぎを削っているQualcommが、いよいよ動き出すようです。
世代の遅れを取り戻せるのか?
記事によると、
Qualcommの社長兼最高経営責任者(CEO)であるクリスティアーノ・アモン氏が、開発中のNuviaベースのシステム・オン・チップ(SoC)の発表時期は2024年との見通しを示した
ということです。
以前は登場時期を「2023年後半」としていましたので、若干スケジュールが後ろ倒しになったことになります。
現状でも、「Snapdragon 8CX 3」等のQualcomm製SoCチップが流通しているようですが、「Microsoft SQ2」同様、ARM版WindowsPCはあくまでも「廉価版PC」という位置づけでしかありません。
ARM版チップであるM1チップを搭載しながらもハイパフォーマンスを保証したのが「AppleSilicon Mac」登場の衝撃であったわけで、あくまでもApple Siliconをメインに据え、「X86」系のチップと完全に決別しようとしているAppleの決断こそが革命的だったわけです。
というか、ここまで大きなトラブル無く「移行」できたこと自体が奇蹟だと思うくらいです。
そして、今回のQualcommのニュース。
以前に買収した「Nuvia」製のSoCチップは、あくまでも対Apple Silicon用のチップでしょうから、それなりの性能を備えていることが大前提となります。
問題は、
本当にApple Mチップに対抗できるだけのパフォーマンスを発揮できるのか?
という点に絞られます。
AppleはMチップへと完全に舵を転換し、すでに第2世代が絶賛稼働中。
恐らくは第3世代の開発も相当進んでいるはずです。
M3が、最先端の「3nmプロセスルール」を採用するのか、現行A16Bionicの「4nmプロセスルール」で行くのか…という点は気になりますが、その成長過程に揺るぎはありません。
対してQualcommの「Nuvia」製チップは、これまでのスマホ用の技術はあるでしょうが、高性能PC向けとなるとそう簡単にはことが進まないでしょう。
加えて、ライバルであるM3チップの性能をいきなり目指さなくてはならない…という宿命も背負っています。
M3を凌駕…とまでは行かなくても、それなりに肉薄できる性能は確実に求められますので、これまでのQualcomm社製「Snapdragon」の性能を考えると、相当に苦しい開発になるのでは…と予想します。
Appleも、更なる高みの可能性を見せて欲しい
ただ…。
AppleのMチップにしても、M1登場の衝撃があまりにも大きかったためか、「M1→M2」の性能アップに関しては物足りなさを感じます。
今後の「M2→M3」のアップデートが物足りないものであったならば、他のSoC製造メーカーに隙を与えてしまうことにもなりかねません。
Appleには、他のチップメーカーに先立って「3nmプロセスルール」の採用を実現してもらい、性能の差を見せつけてもらいたいものです。