AVIOT「TE-J1」の存在意義とは?
AVIOT「TE-J1」をレビューしております。
ここまでは、購入動機編、到着編、音質ファーストインプレッション編、イヤピース選択編、ノイキャン編、ソフトウエア編と来まして、今回はいよいよ「総括編」です。
果てして、その存在意義とは?
ソフトウエアに難はあるが、音質は唯一無二
まずもって言えることは、
音質については、ワイヤレスイヤホンの中で最強
ということ。
これまで音質面で高い評価を得ていたゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless3」にも言えることですが、これまでのワイヤレスイヤホンは、
・特に高音を豊かに鳴らすということに弱点を抱えている
・音の厚みが不足している
・「低音寄り」「高音寄り」というように、得意分野が限られている
等の共通の問題点がありました。
特に「高音の豊かさ」という点においては、Bluetooth接続の「限界」とも感じている弱点で、解像感や煌びやかさを出そうとすると、どうしてもシャリ付いたり、伸び切れずに途中で急にカットされてしまうようになってしまったり…という印象がありました。
また、「MOMENTUM True Wireless3」もそうですが、高音に寄せようとすると、これまたどうしても低音の豊かさがスポイルされることに…。
さらに、低音寄りにすると、中音のボーカル帯が埋もれてしまったり、高音部に弱みを抱える個体が多くなってしまったり…。
しかし、AVIOT「TE-J1」では、これらの音質に関する不満がほぼありません。
解像度がめちゃくちゃ高いのに高音はシャリつきませんし、それでいて豊かで質の高い低音が響きます。
また、中音の主張もしっかりとしているため、ボーカルものも最高。
左右への音場の振り分けも極上。とにかく横に広くて壮大です。
しかも、奥行き感もしっかりと感じられ、音の定位感も素晴らしい。
決して大げさではなく、私がこれまで経験してきたワイヤレスイヤホンの中で最高の音質なのです。
それも「ぶっちぎり」の…。
確かに、ソフトウエア的には大いに問題があり、AVIOTというメーカーのこれまでを見ると、簡単に改善されるようなものでもなさそうです。
しかし、それでもこの音質の前では「些細なこと」と、私は感じてしまいます。
2万円でこの音は… 今後のワイヤレスイヤホンの進化は?
「MOMENTUM True Wireless3」のレビューでも書きましたが、正直私は、「ワイヤレスイヤホンの限界」を感じていました。
「ゼンハイザーがここまでやっても、結局はどこかに不満が残っている…」という現実が、諦めにも似た気持ちを生んでいたのです。
しかし、それをAVIOTが、しかも2万円そこそこの機種が、あっさりとそれを超えてしまったことに本当に驚いています。
ワイヤレスイヤホンの今後は、明るいものになるのでしょうか?
だとすると、有線の立場って?
今回のAVIOT「TE-J1」は、有線の結構良いシステムに近い音を再現していると感じましたので、もはや「境目」が分からなくなりそうです。
正直、
結構音質にこだわって有線イヤホンを利用している方でも、「TE-J1」で満足できるのでは…
と真剣に考えております。