東野圭吾「魔女と過ごした七日間」 3月17日発売!
最近の東野圭吾さんの作品は、少しばかり前の不安定さが消え、本格的な骨太の作品が多くなったと感じております。
「沈黙のパレード」「希望の糸」「白鳥とコウモリ」あたりは本格的な社会派推理ものとなっており、やはり東野さんには重厚な作品が似合う…と感じさせられました。
間に、ファンタジーものの「クスノキの番人」、軽いタッチの「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」という箸休め的な作品が入っているのが気になるものの、「マスカレード・ゲーム」では、それまでのマスカレードシリーズにあった強引さが消え、物語の質感が一段上がったように感じたものです。
そして、最新刊の情報が…。
「魔女と過ごした七日間」が、3月17日発売です。
「ラプラスの魔女」シリーズ、第3弾!
この「魔女と過ごした七日間」は、「ラプラスの魔女」シリーズ第3弾となります。
Amazonの紹介ページには、
その夏、信じられないことばかり起きた。「ラプラスの魔女」シリーズ!
AIによる監視システムが強化された日本。指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」不思議な女性に導かれ、父を亡くした少年の冒険が始まる
とあります。
「ラプラスの魔女シリーズ」といえば、
「ラプラスの魔女」《2015年》
「魔力の胎動」《2018年》
になりますね。
第一作の「ラプラスの魔女」は、広瀬すずさん主演で映画化もされています。
ただ、東野さんの「サイコ的・脳科学的」な作品には賛否両論があるのが事実。
東野さんの脳内の空想的な部分で描かれる部分で終始する場合も多く、個人的には前述したような「社会派路線」が好物ではあります。
前作「魔力の胎動」は、「ラプラスの魔女」の前日譚という位置づけで、円華が自らの不思議な能力に気付き、それを使って周囲の人に希望を与えていく…という流れになっていました。
こちらは「ラプラスの魔女」で支配的だった空想的・創造的な部分は皆無で、ガリレオ的な科学推理を楽しめる一冊でしたね。
「ラプラスの魔女」はこれに反してドライな面が強かったのですが、今回の「魔女と過ごした七日間」はどのようなタッチで描かれるのでしょう?
紹介ページの文言からすると、「父を亡くした少年」との7日間ということで、最終的には少年に生きる希望を与えることになる「七日間」の物語になると考えますので、結局はプラスの方向へ向かうストーリー展開になるのかと想像しています。
あまり現実離れした展開にならなければいい…と願うばかり。
「箸休め」に終わらない、骨太な展開を期待します!