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iPhone15用「A17Bionic」は「レイトレーシング」対応?〜Appleのチップ開発に問題が生じている?〜

iPhone15用「A17Bionic」は「レイトレーシング」対応?

 先日、

The Informationが、iPhone14 Proシリーズ用A16 Bionicの最初の設計は野心的すぎたため消費電力が予想を上回り、設計変更を余儀なくされたとの内部情報を伝えた

という記事が登場しました。

iPhone14 Proシリーズ用A16 Bionicは初期開発に失敗か〜原因と結果 - iPhone Mania

 

 iPhone14の登場に当たっては、
「A16Bionicがどのアーキテクチャを採用するのか?」
ということが最後まで話題になっていました。

 「3nmプロセスルールの採用か?」とも言われていましたが、結局はA15Bionic同様の「5nmプロセス」の採用に留まったため、飛躍的な性能の伸びは認められない結果となってしまいました。

 

 記事にもあるように、採用しようとしていた「新世代GPU」の発熱・消費電力問題が最終段階で発覚し、Appleの思い通りには行かなかったとのこと…。

 これを受けるかのように、A17Bionicではついに「レイトレーシング対応」GPUが搭載される…という記事が来ています。

 

いよいよAppleもゲームを視野に?

 記事によると、

China Timesが、iPhone15 Proシリーズにだけ搭載されると噂のA17 Bionicはレイトレーシングに対応し、TSMCの3nmプロセスで2023年第2四半期(4月〜6月)以降に量産が開始されると報じた

ということです。

 

 本来は「A16Bionic」で実現したかった「レイトレーシング対応」が、省電力化が進むA17Bionicでようやく実現する…ということなのでしょう。

 この「レイトレーシング対応」ですが、

「3DCGにおけるレンダリング手法の一つで、光源から出ている光の量や方向を把握し、水面や物体の表面などで起こる光の屈折や反射など現実世界で発生しうる様々な影響をコンピューターで計算して、より現実に近い映像を作り出す技術」

ということのようです。

 

 グラフィック、特にゲームの分野では、例えば光の映り込みや水面への反射等、光源そのものだけを映し出すのではなく、光源が基になって描き出す周囲全ての描写をすることがリアリティーに近づかせることとなります。

 

 ゲーム機やゲーム対応PCでは当たり前に対応しているグラフィックボードが多いのですが、スマホの世界となると、搭載チップがSoCということで、GPUが独立して存在しているわけではないだけに、難しい分野であったのでしょう。

 

 私、この手の技術的なことには全くもって詳しくないのですが、どうやらMacにおいても「Metal3」でNVIDIAやAMD相当のレイトレーシング技術に対応する準備ができており、先日カプコンから「「バイオハザード ヴィレッジ」がリリースされたのも、その恩恵のようです。


 私も興味半分で「Mac Studio/64GBメモリ/48GBGPU」にインストールしてみましたが、何の問題もなくバリバリ使えました。

 GPUがほぼ100%に貼り付いているのを初めて見ました(笑)。DaVinci Resolveの書き出し時でも90%ほどでしたので…。

 

 A13Bionic以上であれば「Metal3対応」という記述もあり、今回「A17Bionic」で改めて「レイトレーシング対応」と銘打っている理由は分かりませんが、Appleが今後、ゲーム分野に注力していこうとしているのは分かります。

 当然その技術はMac用チップにも下りてくるはずですので、ますます楽しみになってきますね。

 

「Snapdragon 8 Gen2」に先を越されていた?

 ところで、実はこの「レイトレーシング対応」、すでにQualcommの「Snapdragon 8 Gen2」で対応が発表されていたようです。

 

 Appleとすれば、「A16Bionic」で、Qualcommに先立って「レイトレーシング対応」を勝ち取っておきたかったのでしょうね。

 これまではスマホ用チップに関してはAppleの一強でしたが、今後は混乱の時代になって行くのかもしれません。

 

 Appleとしてはとのような方策でチップ性能の優位さをキープしていくのか、その出方に注目していきたいものです。

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