ゼンハイザー「IE200」は、有線イヤホン期待の星となるか?
2022年末に、AVIOT「TE-J1」と出会い、価格崩壊とも言えるその音質に魅了されました。
とにかくボーカルを綺麗に聴きたい私とすれば、まずもって中音域が埋もれずに主張し、なおかつ低音、高音が互いを邪魔せずに滑らかに繫がっていることを求めます。
そこに音場の広さや解像度、音の艶等、実に多様な観点が絡み合うわけで、お気に入りの機種で合うことはなかなか難しい分けですが、この「TE-J1」は高いレベルで私のムチャブリに答えてくれるイヤホンです。
しかしもこれが「完全ワイヤレス」で「2万円ほど」の価格だというのですから驚き。
少なくてもワイヤレスイヤホンの中では、全ての高級イヤホンを含めても最高の音質だと思っています(まあ、当然私が聴いたことのある範疇からの予想ですので、話半分で聴いていただければ…)。
デジタル臭さもありませんし、ワイヤレス特有の低音・高音側の弱さも見当たりません。
特に感心するのは、ゼンハイザーのフラッグシップ「IE900」の音傾向に非常に似ている…ということ。
もちろん「IE900」の方が全てにおいて優れてはいるのですが、これも「iBasso DX300Max」との接続で聴いた際の「IE900」に似ている…という異次元ぶりで、私はワイヤレス、しかもiPhoneでこれだけの音が聞けることは奇蹟だと感じています。
というか、「TE-J1」に関しては、Android機のLDACで聴くよりもiPhoneのAACで聴く方が完成度が高いと感じています。
そんな中…。
ゼンハイザーから気になる機種が発売されることになりました。
有線イヤホンである「IE200」です。
イヤピース位置で音質傾向の変化が楽しめる
記事によると、
ゼンハイザーは、イヤーピースの挿し具合で低域を調整して音質を変えられる「デュアルチューニングシステム」搭載の有線イヤフォン「IE 200」を、1月31日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は23,760円前後
ということです。
ゼンハイザーは、低価格機種として、「IE100Pro」「IE300」という有線イヤホンを展開していましたが、価格的にはこの中間にあたるのが今回の「IE200」ということになります。
「IE100Pro」は「Pro」を関するとおりに「モニター系」のイヤホン。よりフラットで音を分析的に聴くのに適しているようです。
無印系は「リスニング系」であり、音を楽しんで聴くためのチューニングがされている機種になりますね。
なお、「IE200」では、イヤピースの位置を2段階に切り替えることができるようになっており、イヤピースを手前に取り付けるとより開放的な音として聴くことができるようです。
音質の評価は上々 「TE-J1」とではどちらが…
さて、肝心の音質ですが、以下の動画で詳しくまとめてくれております。
完全リスニング寄りで、マイルドで粒立ちのいいサウンド。その分刺激は少なめとか…。
ただ、中音のボーカルは美しく聴かせてくれるようです。
IE300よりも落ち着いて聴けるとのことですが、動画を作成した「かじかじさん」は、
「IE300よりもIE200の方が好み…」
とおっしゃっていますね。
音質に関しては、他のYouTuberさんの評価も非常に高くなっていますので、間違いなく要注目の機種と言えそうです。
「デュアルチューニングシステム」を利用してイヤピースの位置を手前にすると、
「まるで開放型ヘッドホンで聴いている…」
かのような開放感が味わえるとのこと。
これまではイヤピースの選択や耳穴への差し込み具合で調節していた部分を、イヤホンの機構自体でカバーしていこうという考え方のようで、絶対的なものではないと考えますが1回は試して見たいものです。
今後のゼンハイザーイヤホンには全て採用されるようになるのでしょうか?
さて…。
個人的な問題は、
「IE200とTE-J1、どちらの音質が優れているか…」
という点です。
有線と無線を比べる時点で間違っているのでは?…と感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、TE-J1はその域に達している…と感じています。
何だったら、現時点では、
「TE-J1の方が気持ちよく聴けるのでは?」
と考えているくらいです。
IE200は全てにそこそこの穏やか目の音質のようですので、TE-J1の解像度、中音の張り、低音の艶のような部分では適わないのでは…と。
もちろん期待する音質は聴く側一人一人の好みの問題ですが、現代的な音作りに関してはTE-J1はなかなかの実力だと考えます。