Qualcomm、「Apple + TSMC」のタッグに対抗できるか?
近年のスマホにおいては、「チップ性能」が大きな競合要素となっている感を受けます。
その中でも優勢を誇っているのが、「Apple + TSMC」のタッグであることは本ブログでも再三取り上げています。
SoC製造の最新技術について、
「TSMCがAppleにのみ最優先で提供する」
という状況が他メーカーにとっての大きな脅威になっていることは想像に難くありません。
「3nmプロセスルール」で製造されたTSMCチップが、「A17 Pro」としてAppleにのみ提供され、その他のメーカーには翌年にならなければ提供されなかった…という事実は、AppleとTSMCのあまりの蜜月ぶりに驚きを感じたほどでした。
しかし、2024年はQualcommも逆襲を開始し、単純な性能ではA18 Proを凌駕するとも言われる「Snapdragon Elite」を発表したことは大いに話題になりました。
TSMCのAppleに対する「贔屓」をものともせず、堂々とAppleに挑もうとするQualcommの技術力の高さには頭が下がる思いです。
そんな中…。
Qualcommが「Apple+TSMC連合」に対する対抗策を練っている…という話題が来ています。

Samsung製チップへの回帰でA20と同時期に「2nm」への参入を狙う?
記事によると、
Qualcommは、TSMCの2nmプロセスでの半導体製造コストの高さからSamsungへの変更(回帰)を検討していると、TrendForceは述べている
ということです。
記事では、「Samsung回帰」の動きの要因を「コスト高」としていますが、どう考えてもTSMCがAppleに優先的に最新チップを提供することに対する対抗策としか考えられませんよね。
「鮮度が命」というこの業界で、最新技術が常に1年後でないと自分のところに回ってこない…というのは恥辱以外のなのものではないでしょう。恐らくQualcommの中では、Apple&TSMC憎し…という思いが相当に高まっているのだと想像できます。
現状…。
記事によると、
2nmプロセス「N2」での半導体試作を行っており歩留まり率は60%を達成、年内の量産ライン立ち上げ時には80%まで向上させることを計画
とされています。
まあ、2025年中の2nmチップ導入も噂されていただけに、技術的にはそれなりに順調に推移しているのでしょう。
これに対しSamsungはその歩留まりの悪さが3nmプロセス以前から囁かれており、QualcommがTSMCへと移行した原因もここにあったとする説が有力です。
しかし、現状では前述の世代的なTSMCによる供給遅れが改善されない…という現実にぶち当たり、「Samsung回帰」の決断を迫られているのかもしれません。

TrendForceによれば、
Samsungは既にQualcommと2nmプロセスでのSoC試作を行っているとのことですが、その歩留まり率の低さに苦慮しており、ファウンドリの収益は赤字になっている…
とのこと。
記事内では試作を2025年第1四半期に開始…とされていますが、これまでのSamsungの実績を考えると、早々うまくはいかないのでは?…と考えざるを得ません。
QualcommがSamsungと手を取り、「Apple + TSMC」と対抗できるようになるか…ということに関しては、特にSamsung側の実情を考えると相当に難しさがあるのでは?…と考えざるを得ませんね。
Qualcommは、歩留まりの悪さをわきまえた上でAppleと同時期に「2nmプロセス戦線」に降り立つのか?
そして、そのやり方で本当にAppleのA20 Proに対抗しうるチップを製造することができるのか?
今年から来年にかけてのApple(+TSMC)とQualcomm(+Samsung)の競合具合に注目です。