どうなる? これからのカメラ業界
カメラ業界は今後じり貧を辿る…。
これがここ最近の共通認識だったのではないでしょうか?
要因は大きく2つあるでしょう。
一つ目は、「スマホの浸透」です。
わざわざ大きく重いカメラ専用機を持たずとも、現在ではかなり美しい写真や動画をいとも簡単に撮影することができるようになりました。しかも、そのスマホを「誰でも、いつでも持っている」というのか決め手。
それほどの機能や画質をカメラに期待していないライトユーザーは、もはやこれで十分…となっても仕方ないでしょう。
二つ目は「一眼カメラの価格高騰」です。
一眼レフカメラ時代は、キヤノンの「Kissシリーズ」のようなファミリー向けカメラが飛ぶように売れていました。また、高性能機であっても、まあそれなりに常識的な価格ではあったのです。
これが崩れたのが円安に大きく振れた為替相場や世界的な物資不足。現在も、カメラ価格の高騰に歯止めがかからない状況が続いています。これではライトユーザーはついて行けません。やはり「裾野が広がらない」ということは致命的です。今後のこの「一部のコアユーザーによって支えられる」という展開が続き、遠くないうちに業界がますます衰退化していく未来が予想されます。
そんな中…。
2018年以降のカメラ販売台数を比較した記事が来ています。
そこから見えるこことは?

キヤノン、ソニーの独占から多様な選択肢のある時代へ
記事によると、
市場縮小が続くカメラ業界にあって、少しずつではあるもののデジカメ市場で変化が起こっていることが家電量販店・ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」から明らかになった
ということです。
ここで紹介されているのが以下の資料です。




コロナ期を境に急激に原器をなくしていたカメラ市場ですが、回復…とまでは行かないまでも、下げ止まりの感覚はあるようです。
今回のデータは「販売台数」であり、売上とは見方が違ってくるわけですが、それにしても「KODAK」の販売台数の多さと、「ニコン」「富士フイルム」の頑張りが目立ちますね。
当然ながら「KODAK」は低価格のコンデジが売れている…ということになります。ちょっと前まではコンデジが消滅しかかっていたわけで、この潮目の変化は注目に値しますね。日本でもコンデジ、特に高級コンデジが急速に注目されるようになっています。
また、この「高級コンデジ」と「ミラーレス」双方で気を吐いているのが富士フイルムですね。独特の機種構成やフィルメーカー由来のカラーサイエンスを武器に、最近は非常に目立つメーカーになりました。もはや「ニッチ」とは言えないくらいに幅をきかせています。
また、「ミラーレス」におけるニコンの急伸にも納得。最近のニコンは、コスパのいい優れたミラーレス機を続々と投入し、日本の量販店の売上げランキングでも上位に食い込んでいます。「三強」に数えられていた時代の勢いを取り戻しつつある…ということでしょうか?
ただ、先日発表された業績では、減収減益となっていたようです。キヤノン、ソニーに対して価格で優位に立とうとする無理が表面化しているのであれば心配なことです。
今後の展望としては…。
「キヤノン」「ソニー」が強いことは変わらずです。しかしこの2強に関しても、「静止画とAF性能にこだわるキヤノン」と「動画寄り傾向で若者の支持が厚いソニー」と、その傾向は全く異なります。
ただ、ソニーが一気にキヤノン突き放す…という展開になっていないことからも、
「必ずしも世の中は動画一本鎗に向かっているのではない…」
ということも見えてきます。
両社とも「独自のセンサーを開発できる」という強みがある以上、今後もトップ争いを繰り広げて行くことになるでしょう。
他メーカーは、富士フイルムやニコンのように「独自色」を出すことで地位を確保できそうです。必ずしも「キヤノンとソニーの独壇場」にはなっていないことからも、バリバリの高性能ミラーレスだけが求められいるわけではない…ということがよく分かります。
また、LEICAブームが火付け役となり、「コンデジのよさ」も再認識されています。
安価なもの、超高級なもの、動画に強いもの等、多様な色を持ったカメラが今後続々と登場しそうな予感です。

おそらくは…。
キヤノン、ソニーを中心としながらも、「多様な選択肢のある時代」へと進んで行くのではないでしょうか?
ただ…。
KODAKの業績不振が最近報じられたように、キヤノン・ソニー意外のメーカーは常に市場代々のご機嫌を伺いながらの綱渡りの営業を余儀なくされるでしょう。
カメラ業界は今後もじりじりと縮小していくことが予想されます。
生き残りに向け、ユーザーの心をどのように読むか?…という点が非常に重要になってきそうですね。