2019年ラストを飾る「総務省のウザい施策」
近年の「総務省」による「スマホ料金」に関する数々のお達しには,ほとほとあきれるばかりなのですが,なんと,年末になって最後の「にぎりっ屁」のようにやらかしてくれました。
今度は「動画見放題サービス」へのいちゃもんです。
SoftBankの「ウルトラギガモンスター+」やauの「Netflixパック」などのような,「特定」の動画サイトだけを優遇する料金体系が,健全な競争を妨げている…という論理なのですが,いやいや,何が健全かもはやその思考過程が分かりません。
「どの企業と組むか?」という方向性も含めての企業間競争なわけですので,なぜお上がその部分でいちゃもんを付けるのか,本当に理解不能です。
むしろ,有料,無料を含めた,現状のような「動画サービス」全盛の中にあっては,ユーザーが「動画を安心して観たい」と考えるのは至極当然のことであって,キャリア側のキャパシティーが許すのであれば,むしろ支援していくのがお上の仕事なのでは?
これが,キャリア側のキャパが不足している段階での「おとがめ」であれば我々一般ユーザーも納得できるのですが,いつものごとく論点がずれているわけで…。
そして,その「ズレっぷり」が数値で証明されたことが分かる記事を見かけました。
「スマホ料金を安くするために」立ち上がった総務省ですが,その施策のせいで,むしろスマホ料金は上がっている?
スマホ料金利用額は上昇している!
記事によると,
MMD研究所は12月25日,最近4年間で、大手キャリア、格安スマホともに月額料金の平均が上昇しているという,「大手3キャリア・格安スマホ別 月額料金の推移(2016年~2019年)」の調査結果を公表した
とのことで。
気になるデータがこちら。
まずは,総務省や官房長官が「4割下げる」とした大手キャリアの利用料金の変遷。
確かに「超低額」といえる層の割合が増えていますが,1万円を超える割合も同じように増加しています。これまでの「中間層」が一気に「両極端化」している印象ですね。
「ギガホ」「ウルトラギガモンスター」のように,大量の通信料をデフォルトとするプランしか選択できないような状態になってきていますで,この結果も頷けるかと…。
また,「家族割」の恩恵を受けられない単身の若い世代は,どうしても利用料が増えるのではないでしょうか?
私なんかは,これこそ「平等ではない」と考えるのですが…?
総務省はどのように考えているのでしょうか?
続いてこちらは「格安SIM」利用の料金。
総務仕様としては,こちらへの恩恵を考慮して,一連の「余計なお世話」が始まったのですが…。
こちらは正に「逆効果」ともいえる結果に。
「格安」帯が大幅に減少し,「2,000円〜6,000円」の中間域の料金増加しています。
まあ,大手の中間層が格安に逃げてきた…という見方もできますので,これだけで一概に「悪化」とは言えないのかもしれませんが,総務省の考え方からすると,せめて低料金帯域も「横ばい」で行かないとそもそもの狙いからはズレているような気もします。
そして,最終結果は?
そう…,大手,格安ともに,結構な「料金増」となっております。
どうしたことでしょう。
お上は,「下げる!」と断言したのでは…?
結局は,iPhoneの機種代を上手に「まぶしてくれていた」従来の料金体系を壊してしまったことが原因だと考えます。
機種代金については触れず,キャリア乗り換え時の行き過ぎたキャッシュバック等の極端な事例だけを取り締まり,その上で現行のような「実質的な料金の引き下げ」を迫るべきでした。
また,格安SIM側に関しては,単純に料金のことだけではなく,もう少し「通信品質」を上げることができるように大手にプレッシャーをかけるべきでした。
私が大手キャリアから離れられない最大の理由は,混雑時に極端に速度が落ちる通信の質そのものです。もしこれが大手に近づけるものであり,料金が現在と変わらないのであれば,より真剣に以降を考えるはず…。
結局,総務省の考えていることは,一般国民からは著しく乖離しているのです。
残念です。
5G化に向けて…
今後の「5G化」を考えたとき,「大容量化」「高速化」「安定化」ということが欠かせない要因となってくるでしょう。
だとすれば,ますます大手が有利になって来ることは明白です。
さあ,それを踏まえて総務省がすべきことは何なのか…?
少なくともそれは,「動画見放題」の規制…ではないはずです。
来年こそは,消費者目線での施策を行っていただきたい…。