イメージではAppleの一人負けですが…実際は?
米中の経済戦争の長期化,米国によるHUAWEI排除問題による中国国内におけるiPhone不買問題等,Appleの周辺では中国をキーワードにきな臭い匂いが立ちこめています。
我々がもつイメージとしては,
「中国国内では,相当iPhoneが売れていないのでは?」
「Apple以外の中華スマホがこぞって売上を伸ばしているのでは?」
というところではないでしょうか?
この度,2018度の中国国内でのスマホ販売台数が発表されました。
そのデータが,ちょっと意外でしたのでご紹介します。
「250万台減少」以上に気にかけなければいけないこと
まずは肝心のデータから。
「販売台数」と「シェア」の2種類のデータが公表されています。
このデータを基に,紹介した記事の表題が「iPhoneの販売台数250万台減少」としているのですが,まずはここに問題があります。
明らかにiPhoneの「落ち込み」をターゲットに使用とする意図的な表題だとしか思えません。問題ありです。
私がこのデータを見たときに,最も意外だったのは,
「Appleのシェアが伸びている」
という点です。
もちろん「経済戦争」が表面化した後の「第4四半期」で比較すると,前年比「1.4%」減少していますので,それなりの影響を受けているのは明かでしょう。しかし,私は「1.4%しか減らなかった」という思いです。意外と検討したなと…。
では,このデータから言及すべき最大のポイントはというと…。
「中国国内でのスマホ販売そのものの低調ぶり」
であることは明らかです。
だって,2017年には「4億5960万台」売れていたものが,2018年には「4億850万台」に減少してるのです。5000万台以上の「減」ですよ!
また,更に意外なのは,OPPOやXiaomiの落ち込みぶりです。
落ち込んでいるのがAppleだけなら問題ですが,中国全体の売上が落ち,それと同時に中華系である大手4社のうち2社がApple以上に売上を落としているとなると,問題の本質が異なってくるはずです。
今後の展開が鍵を握る
つまり,このデータから言えることは,Apple減退というよりも,「HUAWEIの急伸」といえるでしょう。
HUAWEI排除の動きに反発した層が,これまでにも増してHUAWEIの端末購入に走ったということなのではないでしょうか?
また,そのあおりを受けたのはAppleだけではなく,特にXiaomiであるという点にも注目です。詳しい事情は分かりませんが,明らかに「一人負け状態」。むしろApple以上に深刻な問題を抱えているのかもしれません。
しかし,Appleに関していえば,この2019年が厳しい年になるであろうことは想像に難くありません。
恐らく今年前半の販売台数は,相当に落としてくることが予想されます。
問題は,「どの程度」の落ち込みになるかということです。
壊滅的な落ち込みになるのか?
それとも「中国国内でも一定のiPhone信仰が残っている」と思える結果となるのか…?
第一,第二四半期の販売結果が待たれます。