Appleの歴史的転換点となるか?
「WWDC2019」が間近に迫ってきました。
これまでは,「iOS」「MacOS」といった,各デバイスごとのOSを柱として,それぞれが別物として紹介されることが多かったわけですが,今年度は様相が異なるようです。
今年度のWWDCに関しては,2つの大きな柱があるようです。
一つ目は「脱iPhone」。
二つ目は「各OS」「各種Appleデバイス間」の融合。
Appleが,自らの今後を見据えた上で,これまでとは違う方向に大きく舵を切ってきたということ自体異例のことです。
Appleの決意が見え隠れする今回のWWDC。
もしかすると,歴史的転換点となる講演を目の当たりにすることになるかもしれません。
「脱iPhone」は間に合うのか?
スマホ業界の勢力図の中で,iPhoneの勢いの衰えが目立ってきています。
2018年度において,スマホ自体が売れなくなってきていること,その中でHUAWEIだけが一人勝ちの状態であることなどを,以前お伝えしました。
その後,HUAWEIに対する世界的締め出しの動き,またに呼応するかのような中国国内でのiPhone売上減少予想等,様々な情勢変化やそれに関する予想が発表され,2019年の今後が全く読めない情勢なってきました。
しかし…。
恐らく今後も「プレミア価格帯」中心で勝負して行くであろうAppleに限っていえば,「販売台数が減少していく」ことを覚悟した戦略をとっていくことが必須の情勢でしょうし,Appleとしてもその点を認めている感があります。
3月の発表会では,動画,ゲームというソフトウエア戦略の再構築を提案しました。
これらに加えて現在堅調なウエラブル端末関連に一層力を入れていくことで,「新たなApple」の地図を描こうしているようなのですが,果たしてこの「脱iPhone」の動きは間に合うのでしょうか?
あくまでも現在のAppleの現在の地位,イメージの土台を支えているのは現状iPhoneであることは否定できません。
いくらその他の分野に注力していく戦略に切り替えたとはいえ,早々たやすく「企業の土台」を切り替えることができるものなのでしょうか?
各種サービス,ウエラブルの市場規模がiPhoneのそれを充当するとは現時点では到底考えづらいのですが…。
iPhoneの減速スピードと,その他の事業の成長スピード。
危険なチキンレースが始まりそうです。
「融合」による囲い込み効果はいかほどか?
もうひとつの柱である「各OSやデバイスの融合」という観点には,大きな期待しかありません。
従来から述べているように,Appleデバイスの魅力は,インターフェイスの心地よさと「各デバイス間の連携」だと考えています。
iPhoneでの作業がiPadやMacに何の操作をしなくてもごく自然に引き継がれ…といった「ノンストレスの作業連携」を一旦味わってしまうとも,Android,Windowsという選択肢が考えられなくなってしまいます。
これも何回も述べていることですが,ここまでiPhoneが普及している日本にあって,
「なぜMacを使わないの?」
という大きな疑問を感じています。
もちろんコスパでいえばMacは劣るかもしれませんが,個人的には単純なコスパ以上の快適さを受け取っておりますので,本当に真剣に検討してみることを強くお薦めいたします。
今回のWWDCでアプリの「Marzipan化」が進めば,これまでのAppleデバイス感の連携が更に強固なものになりますね。
これまでは純正アプリに限定されていた「連携」が,サードパーティーアプリにも取り入れられれば,なんと快適なことでしょう。
アプリの「iOS版」「Mac版」といった垣根もなくなり,データも何の制限もなく加工・受け渡しができるようになるのであれば,Appleデバイスでできること自体の可能性か飛躍的に広がることになるでしょう。
Appleとすれば,「新たな形の囲い込み」の形態として提案するであろう,今回の「各OS」「各種Appleデバイス間」の融合。
果たしてAppleの業績の底上げのために,どの程度の役割を果たすことができるのでしょうか?