HUAWEI初の5Gスマホも,先行きは不透明
米中経済戦争の「象徴」にされてしまった感のあるHUAWEI。
先のサミットでは,トランプ大統領がHUAWEIに対する制裁の解除にも言及したことで,事態が急変するのか…と注視されてきたものの,実情は「様子見」の展開が続いており,またまだ先が見通せない状況のようです。
そんな中,HUAWEI初の5G対応スマホ「Mate 20X 5G」が7月末に販売開始されるようです。しかし,販売は3カ国限定…。
HUAWEIはどのような「今後」を描いているのか?
この「Mate 20X 5G」は,全くの新開発ということではなく,すでに販売されている,7.2インチディスプレイ搭載の「Mate 20X」をアップグレードしたモデルのようです。
バッテリーが4,200mAhから5,000mAh,メモリが6GBから8GB,内蔵ストレージが128GBから256GBへと進化を遂げている…ということですが,5G通信というのは,デバイスの性能アップを求めることになるのでしょうか?
元々は,話題の折りたたみ式スマホ「Mate X」が,HUAWEI初の5Gスマホになる予定でした。しかし,折からのHUAWEI締め出しや,Galaxy Foldの大失態に伴い,当初の6月発売が9月へと延期になっていました。
「7.2インチ」という画面サイズは,一般的な用途で考えるとなかなか難しいサイズですね。大きすぎる!
ポケットに入れて…という使い方は厳しいでしょうから,HUAWEIとしては,この機種を「5Gの主役」としては考えていないでしょう。
「とりあえず5Gの実績を…」
というHUAWEIの焦りのようにも感じます。
さあ,問題は今後の規制解除
HUAWEIの立場の厳しさを感じるのが,この機種が「中国」「イタリア」「UAE」の3カ国限定での発売に留まるということです。
米国を中心としたHUAWEI端末の締め出しだけではなく,世界的な「5G通信網」からのHUAWEI締め出しという意味合いも大きいものと考えます。
前述のトランプ大統領による「規制解除」が,今後どのように進むのかが大きな焦点となりますね。
しかし,サミット後の音沙汰が全くないことを考えると,少なくとも新型iPhoneが発表される9月までは「凍結状態」が継続されるような予感がします。
iPhoneの販売を伸ばした後に規制解除することで,2019年度のHUAWEIの勢いを完全に殺してしまおうという思惑が働いているような気がしてなりません。
まあ,それ以降に「解除される」保証もないわけで,HUAWEIにとっては正に「生殺し状態」がつづくことになるのかもしれませんが…。
HUAWEIの端末は,世界規模での販売が可能となるのか?
HUAWEIの5G通信網は,今後スタンダートとなり得るのか?
「Mate X」の販売と併せ,今後のHUAWEIの状況から目が離せません。
★追記★
トランプ大統領の「規制解除発言」以降も自体の改善が見られず,HUAWEIが大規模レイオフに及ぶという記事が来ています。
やははHUAWEIの米国内での現状はかなり厳しいままのようです。