「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の詳細レビュー発見!
ミラーレス時代に取り残されていた感のあったCanon。
2020年は,本命の「Eos R5」が登場することからも,勝負の年です。
カメラ本体の他,数多くのRFマウントレンズが発表されそうで,今から楽しみですね。
さて,そんなRFマウントレンズにおいて,2.8通しのLレンズとして確固たる地位を確立しているのが,「RF24-70mm F2.8 L IS USM」です。
ズームレンズを使用しているのであれば,「いつかは手に入れたい…」と誰しもが考える高級レンズ。当然その写りにも期待してしまいます。
これまでの数々のレビューの中で,
「写りは素晴らしいが,望遠側の写りは,値段には見合わない…」
というものを見かけたことがありました。
果たして,その真実は…ということで,具体的なデータをもとにしたレビューを待っていたのですが…。
ついにOpticalLimitsが,詳細レビューをアップさせました。
さて,どうなることか?
キヤノン「RF24-70mm F2.8 L IS USM」は大口径標準ズームでベストのレンズ - デジカメinfo
単焦点レンズとの比較で見えてきたこと
このレンズ,もちろんズームレンズとしては優秀だということは分かり切っていますので,今回はあえて単焦点レンズとの比較で見ていきます。
というのも,RFシステムに移行して以来,「RF35 MACRO IS STM」「RF50mm F1.2L USM」を購入し,特に後者の写りに影響を受け,今後発表されるであろう「RF35mm F1.2L USM」の購入も視野に入れているからです。
単焦点のアドバンテージがとの程度かを,データで確かめておきたかったのです。
それでは,順を追って比較してみましょう。
①「35mm」域
上が「RF24-70mm F2.8 L IS USM」,下が「RF35 MACRO IS STM」のデータ。
特徴的なのは,全域に渡って「24-70」が中央部の解像度が非常に優秀なのに対し,周辺部の解像度が著しく落ちることです。
特に開放付近での落ち込みは凄まじいですね。
その点,「35」は,中央部ではやや分が悪いものの,周辺部でも目立った落ち込みが見られません。このあたりが単焦点の強みなのでしょうか?
しかし,f5.6にまで絞ると,「24-70」の周辺部の落ち込みがかなり改善されます。このあたりをどう捉えるかですね。まあもLレンズ特有の色乗り等で,「24-70」の方に魅力を感じる方が多いかもしれません。
②「50mm」域
上が「RF24-70mm F2.8 L IS USM」,下が「RF50mm F1.2L USM」のデータ。
ここで特筆されるべきは,「50L」の開放付近の解像力です。周辺部でも「3000LW/PH」を超えていることからもわかるように,EF50Lのように,
「開放でのピリッとした画質は期待できない」
ということが全くありません。
これに,「開放からピントがしっかり合う」というおまけまでつくのですから,やはりRFシステムの恩恵は甚大だと言えます。
「24-70」との直接的な比較はf2.8からしかできませんが,f2.8でも「50L」の絶対的な強さが目立ちます。やはり,
「明るく撮りたい場合の,L単の強さは半端ない」
ということが,数字上からもよくわかりますね。
しかし,やはり絞った場合を見ると,「24-70」もかなり検討していることがわかります。特に中央部分だけを見ると,数値が逆転している部分も見られますね。やはり中央部分の解像度はかなり高いようです。
反面,やはり周辺部の落ち込みがあり,「50L」の周辺までしっかり解像するという絶対的な安定感からは程遠いことがよくわかります。
③「70mm」域
こちらは,「24-70」だけのデータです。
こちらも中央部分は頑張っていますが,開放での周辺域の解像度の落ち込みが半端ないことになっています。その他の絞りでも,全体的に数値が落ち込んでいることがわかりますので,このレンズ,やはり噂通りに「望遠側に弱点あり」といってもいいかもしれませんね。
「L単」の強みを再認識!
今回は,数字として見える部分だけを見比べてき見ましたが,当然これに,「ボケの美しさ」「色乗りの豊かさ」「色再現性の正確さ」等,更に重要な事柄が加わって,総合的に判断されることになります。
私のほんの僅かな経験から言うと,やはり「Lレンズの色乗りは素晴らしい」と言えると思います。これに,「50L」では,色再現性の有意差が加わります。個人的にもそのように感じますし,YouTubeでプロカメラマンの西田航さんが,
「RF50mm F1.2L USMは,見たままの色をズバリと再現してくれる…」
ということをおっしゃっていました。
「色乗りが豊かなのに,色再現性が優秀…」とは,なんだか矛盾しているような気もしますが,おそらく「L単」は他のレンズでは再現できない部分をも写し取っていることなのだと思います。
「ズームとしては優秀だが,自ずと限界はある」
それが,「RF24-70mm F2.8 L IS USM」の本質なのかもしれません。
しかし,ズーム一本で勝負することを考えたら,もはや「この一本で決まり」とも言える至極の一本なのかもしれませんね。