「Spotify HiFi」のリリースが中止に?
昨年、「2021年の振り返り」でも書きましたとおり、Apple Musicのロスレス/ハイレゾ化によって、私のオーディオ環境が大きく変わりました。
何しろそれまでのAACコーデックとの音質差が非常に大きく、加えてAmazonMusicHDよりもApple Musicのロスレス/ハイレゾ版の音質が非常に素直で好みだったこともあり、モバイルオーディオ、PCの据え置きオーディオ両面で革命的な進化を遂げた…という印象です。
大手サブスクとしては、AmazonMusicHDが先行しそれにApple Musicが追随する…という様相でした。
そして、Spotifyも負けじと「Spotify HiFi」なるロスレス/ハイレゾ化を計画していたはず。自分の記憶では、2021年末には登場することになっていたのではないでしょうか?
個人的には、音質が好みであるApple Musicからの乗り換えを考えることはありませんのでこれまで気にしていなかったのですが、ここに来て「Spotify HiFi」のリリース中止という不穏な情報が来ています。
それでユーザーは納得するの?
Apple Musicの「価格据え置き」が効いている?
記事によると、
Spotifyのロスレス配信「HiFi」は、今後リリースされない可能性が浮上した。同社は具体的な予定を明かすことを拒んでいるようだ
ということです。
そもそも、2021年2月に「2021年後半のHI-FIサービス」の予告をしていたSpotifyでしたが、Spotifyコミュニティページのスレッドで、モデレーターを務めるヨルダン(Yordan)という人物が、2022年1月7日付けで、
「ユーザーがHI-FI品質のサービスを求めいていることは理解しているものの、まだ詳細をお伝えできるタイミングではない」
とコメントしているようなのです。
これを受けて9to5Macが「SpotifyはHi-Fiサービスの提供開始を無期限に延期した」と報じたとのことで、問題が大きくなっているようですね。
そもそも、Amazon MusicやApple Musicで可能なことがSpotifyでは何故ここまでこんがらがっているのかがよく分かりません。
「Amazon」「Apple」という巨人が後ろ盾になっていることでロスレス/ハイレゾ化が成り立っており、Spotifyではそれが厳しい…ということなのでしょうか?
もし、そんな「体力面」が理由だとすれば、
「ロスレス/ハイレゾ化しても料金は変わらない」
というあたりでSpotifyが苦しんでいるのかもしれませんね。
私だって、Apple Musicの「料金変わらず」という部分では大変驚きました。AmazonMusicHDが慌てて料金据え置きに舵を切ったのも、Apple Musicへの対策でした。
そう考えると、昨年のApple Musicの価格設定は業界にとって非常に大きなインパクトを残したことになります。
ロスレス/ハイレゾ化無しで太刀打ちできるの?
いずれにせよ、Spotifyが何かしらの大きなトラブルに遭遇していることは間違いないでしょう。
もしこのまま「HI-FI化」への足踏みが続き、リリースそのものが頓挫してしまったら、Spotifyはどうなってしまうのでしょうか?
そもそもSpotifyユーザーは「HI-FI化」にどのくらいのこだわりをもっているのでしょう?
私のように音質を追い求める者にとっては必要不可欠な部分なのですが、「音質に関してはロッシーでも構わない」と考え、操作性等のその他の部分でSpotifyを支持しているユーザーが大部分を占めるのであれば、そんなに大きな問題にならないでしょう。
しかし…。
今後はワイヤレスイヤホンでも音質面での競争が激しくなることは必至で、ロスレスコーデック対応機などが主流になってくるでしょうし、サブスクのロスレス/ハイレゾ化で再び有線イヤホンに注目が集まっているようです。
SpotifyもHI-FI化無しでは厳しくなっていくのではないでしょうか?