可能性を感じる「TE-ZX1」
AVIOT「TE-ZX1」のレビューをしております。
ここまで、「到着編」「取って出しの音質編」「GEMINI IIとの対決編」をお届けしました。
「取って出しの音質評価編」「GEMINI IIとの対決編」でも述べましたとおり、肝心の音質に関しては、私の個人的な評価としては「GEMINI IIの圧勝」ということになりました。
ただ、「TE-ZX1」の音場の広さと一つ一つの音の解析性という部分ではこれまでのワイヤレスイヤホンの常識を覆すほどのポテンシャルの高さを感じました。
もし「TE-ZX1」の音質が好み…という方であれば、唯一無二のイヤホンになる可能性があります。
AVIOTは元来、高い技術をふんだんに盛り込んだイヤホンを造る独創性の高い企業です。
この「TE-ZX1」に関しても、“トライブリッド5ドライバーシステム"という提案を行い、その面目躍如というところです。
今後に向けて非常に大きな可能性を感じさせられました。
使い勝手は相当いいぞ!
個人的に音質に関しては最強と考えるDEVIALET「GEMINI II」ですが、その使い勝手には難があります。
ハウジングの形状がどうも耳に収まりづらく、イヤピースも心地よいフィットとは言いづらい…。
また、好みのイヤピースに変えようにも、軸の長い通常のイヤピースでは充電ケースに収まらない…というていたらく。軸の短いタイプでも、ケース収まるものとそうでないことがあることは以前のレビューでもお届けしました。
たまたま、純正のLサイズで音質に満足できたからいいものの、ケースに収まらないイヤピースの音が気に入っていたら、モヤモヤが止まらない展開になっていたことでしょう。
DEVIALETには、そのあたりの汎用性も考えた造りを目指してもらいたいものです。
「使い勝手」という点においては、TE-ZX1は3BAドライバーを詰め込んでいるせいか「ノズル口の直径が非常に長い」ということには注意が必要です。
本ブログにおいて、他のイヤホンで色々と試したサードパーティー製イヤピースは使用できません。ただし、本体に付属しているイヤピースの種類が非常に多種多様となっており、そもそも本体の耳へのフィット性が非常に優秀なこともあって、「イヤピースが合わない…」ということにはならないと思われます。
TE-ZX1の筐体は、見て分かるとおりにカスタムIEM然としてます。
大柄なハウジングに長めのノズル…ということで、イヤピース選択をしっかり行えば、素晴らしいフィッティグ性をもたらしてくれることでしょう。
GEMINI IIを含めたコンシューマ向けのモデルは、このフィッテング性に問題を抱えることが多く、TE-ZX1にとっての追い風となる部分です。
また、私の耳はなかなかノイキャンの効果を感じることのできない形状をしているようなのですが、TE-ZX1では珍しくしっかりとノイキャン効果を実感することができました。
やはり、IEMのような形状が影響してるのでしょうか? ノイキャン性もなかなか優秀だと思います。
また、レッドメタリックに染まった本体、ケース等、見た目のインパクトは相当です。
気に入った方にとっては、所有欲を相当満たす存在になりそうです。
いずれにせよ、AVIOTという企業の探究心には驚かされます。
今後も新機軸の商品を届けてくれることを期待しているところです。