Googleの生成AI「Gemini」がiOS18に採用される?
2024年、どうやら本格的な生成AI元年になりそうです。
「Chat GPT」で火が付いたこの分野ですが、いよいよそれが標準のOS内に組み込まれていく流れのようで、もはや生成AIが「特別なもの」では無くなっていくことは既定路線になっているようですね。
そんな中で注目を浴びているのが、Googleの「Gemini」です。
それまであった「Bard」をGeminiに吸収し、方向性を確かなものにしたGoogle。これまでのGoogleの戦略を考えても、この分野においてはGoogleの技術力がAppleの数段上を行っている…と考えて間違いないような気がしています。
「このままGoogleとガチンコ勝負して、勝ち目はあるのか?」
「Siriの二の舞になるのでは?」
と以前の記事にも書いていたのですが、それはAppleもしっかりと自覚していたようで…。
なんと、Googleの生成AI「Gemini」がiOS18に採用される方向で、二つのメガカンパニー同士の話合いが進んでいるようです。
それでもGoogleにメリットがある不思議
記事によると、
Appleの動向に詳しいBloombergのマーク・ガーマン氏によれば、AppleはiOS18の機能の一部として、Googleの生成AI「Gemini」を取り入れる可能性がある
ということです。
一見、大いなる矛盾を感じます。
こと「検索」の分野においては、Googleはもはや「デフォルト」と捉えられる存在です。また、翻訳や画像検索等、「AIを快適に使いこなす術」についてもGoogleの発送の豊かさには感心せざるを得ません。
Appleは、卓越したハード技術をうまく活用するソフトウエア開発において大きく後れを取っている印象があります。
Googleが、そんな自分たちの強みをAppleに享受する…ということは、素人目に考えてあり得ないようにも思えます。
しかし…。
記事には、
何年もの間、AlphabetのGoogleは、同社の検索エンジンをiPhoneやその他のデバイスのウェブブラウザ「Safari」のデフォルトオプションにするため、Appleに毎年数十億ドルを支払ってきた
とあります。
そう、本来であればGoogleの検索エンジンを使わせてもらう側が支払うべき…と考えられるところですが、逆にGoogleがAppleに巨額の金額を支払っているということなのです。
まあ、単純に考えると、莫大な流通量を誇るAppleデバイスにGoogle検索エンジンを使ってもらうことで、Appleに支払う金額以上の還元がGoogleにある…ということになります。
AppleがライバルSamsungから毎年大量のディスプレイを購入することもそうですが、この手の取引には謎が隠れているものですね。
以前にも記事にしたように、Appleは「Apple GPT」の開発を鋭意進めてはいるようです。しかし、これまでの経緯を考えると、それがGoogleのGeminiを超えてくるとは到底思えません。
クラウド対応型、生成AIという分野では他社の技術を利用させてもらうという形で、今年のiOS18の目玉である「AI搭載」を乗り切ろう…ということなのかもしれませんね。
それにしても…。
これでAppleのソフトウエア開発力が強かったら、正に独壇場とも言える世界になるのでしょうが…。